カーボカウントな日々

血糖値を上げるのは炭水化物(カーボ)です。炭水化物さえ摂らなければ血糖値はほとんど上がりません。 今、世界の糖尿病治療は、食事の炭水化物をコントロールするカーボカウンティングが主流となっています。

糖尿病患者への長い旅

2008 - 09/25 [Thu] - 11:48

糖尿病の発症と進行のメカニズムを私なりに考えてみました。あくまで自分自身のこれまでを振り返った「私なり」の考えなので、医学的な反論はあろうかと思います。(併記したヘモ値も勝手な推測です)

生まれつきの要素に老化が重なったりすると、インスリンの出が少しずつおかしくなってきます。ブドウ糖が体に吸収されるタイミングよりちょっと遅れて、結果的には出すぎてしまうというやっかいな分泌パターンを繰り返します。いわゆるインスリンの遅延過剰分泌の始まりです。
ヘモグロビンA1c:4.8%

遅れて大量に出されたインスリンは血糖値を下げすぎてしまうため、異様な空腹感に襲われます。食後わずか2時間とか3時間しか経ってないのに、甘いものというか炭水化物がが欲しくてたまらなくなるのです。ここで我慢できずにお菓子などを口にすると、再びインスリンの遅延過大分泌、低血糖が起こり、また甘いものが欲しいと言う悪循環に陥ります。これがいわゆる糖尿病による異常な食欲の始まりです。
ヘモグロビンA1c:5.0%

炭水化物をを摂る、インスリンが出すぎる、炭水化物を摂る、インスリンが出過ぎるということを繰り返していくうちに、お腹の周りにはたちまち脂肪が蓄えられていきます。いわゆる内臓脂肪型肥満の始まりです。
ヘモグロビンA1c:5.2%

インスリンの分泌異常に起因する内臓脂肪の蓄積は、とどまるところを知りません。脂肪細胞の数は思春期を過ぎると基本的には増えないので、細胞ひとつひとつが大きくなることで対応するしかないのですが、それにも限界があります。そうなると脂肪細胞はブドウ糖を受け渡そうとするインスリンの呼びかけを無視し始めます。いわゆるインスリン抵抗性の始まりです。
ヘモグロビンA1c:5.5%

脂肪細胞の抵抗にあったベータ細胞は、インスリンの分泌量を大幅に増やすことで対抗し、なんとか体の中に有り余る糖を処理しようとします。いわゆる高インスリン血症の始まりです。
ヘモグロビンA1c:5.5%

血液中を大量に流れるインスリンは、ブドウ糖を無理やり脂肪細胞に押し込もうとするほか、高血圧や動脈硬化を引き起こし体をボロボロにしていきます。これに危機感を感じた体は、ベータ細胞を危険な存在として抹殺を図ろうとします。いわゆるベータ細胞のアポトーシス(自然死)の始まりです。
ヘモグロビンA1c:5.8%

アポトーシスのスイッチが入り、やがてベータ細胞の数が半分以下にまで死滅したとき、インスリンは十分な量を確保することができず、血糖はコントロール不能となります。これがいわゆる糖尿病の発症です。
ヘモグロビンA1c:6.5%以上


この7段階を経るまでに、通常10年~20年がかかるといわれています。糖尿病患者の思いとしては、この7段階・12年間の間に何か食い止める手段はなかったのかということです。

まず、最初のインスリンの出が悪くなるのは仕方ないことです。体質だったり老化だったりするのですから。しかし、炭水化物を摂り過ぎないようにさえすれば、インスリンの過大分泌は抑えられます。ここにひとつ糖尿病を食い止めるチャンスはありました。

それ以降の内臓脂肪型肥満とそれに伴うインスリン抵抗性が始まってしまうと、炭水化物への欲求はますます強まります。しかし、そこで意思を強くして、炭水化物の摂取をコントロールすれば、ベータ細胞のアポトーシスという致命的なダメージは食い止めることができたのではないかと思っています。

メタボ検診が始まり、ヘモグロビンA1cが5.2%から注意が促がされるようになりました。このとき、指導対象となった人にぜひ伝えて欲しいのは「あたなはインスリンの分泌異常から、普通の人にはない異常な食欲が起こっている可能性がある」ということです。「その異常な食欲を抑えこむためにも、炭水化物の量には注意した方がいい」という事です。

まあ、糖尿病患者にさえ「炭水化物に注意しろ」とは言わない国ですから、それは無理なんでしょうけど。





 コメント

最後のひとこと 異常食欲を抑えるためにも、 炭水化物に注意したほうがいいい・・・
ほんとにその通りだと思います

>ぶるべりさん

日本の医者なり栄養士って、脂肪ダメ、タンパク質ダメとは言うけど、炭水化物ダメとはぜったい言わないような気がします。
やっぱり、お米信仰みたいなものがあるんですかね。
血糖値にしても、中性脂肪にしても、炭水化物が原因で起こってる問題って、けっこうあるはずなんですがね。

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ぉひさしぶりです
順調に少しずつですが体重ぉちてきましたぁの、とあるWEBでみかけたのですが 極端な炭水化物 糖質制限をすると 逆にインスリンの働きが悪くなるというのは本当でしょうか

☆さん

極端な炭水化物制限をすると、インスリンの働きが悪くなると言うのは本当です。

歩く距離が極端に少なくなると、歩行能力が落ちるみたいなもんだと思います。
ただし、足に怪我をしている場合は無理して歩いて怪我を悪化させたら、さらに歩行能力は落ちてしまいますよね。
だから、その人の膵臓のダメージに応じて、ある程度、炭水化物を抑えることは必要だと思うんです。

一般的に、1日100g程度の炭水化物を取っていれば、耐糖能(血糖値を下げる能力)は落ちないと言われています。1回の食事でご飯を茶碗に軽く一杯ですね。

逆に、炭水化物を取りすぎて高血糖の状態が続くと、糖毒という作用でやはりインスリンの分泌や効きが悪くなります。むしろこちらの方が膵臓に対するダメージは大きいはずです。

お返事ありがとぅござぃます[e:466]

そぅなんですか取りすぎても駄目だし、とらなさすぎても駄目なんですねバランスょくって言うのは本当に難しいですねッッ
最近、野菜や魚中心の生活なんですが オカズからょく噛んで食べるので ご飯がぁまりたべれなくてぃちお、3食ご飯もちゃんとたべてるのですが、例えると握り寿司3個分の量のご飯位しか食べてませんでしたもぅ少し今より量を増やして 頑張ってみます

☆さん

握り寿司3個分のご飯を食べていれば十分だと思います。
おかずにも普通は炭水化物がけっこう入ってるし、
そもそも白米は血糖値が勢いよく上がるから、炭水化物はなるべく野菜や果物からとったほうがいいです。

まあ、あまり難しく考えずに、要はご飯やパンや麺類の食べ過ぎに気をつけるってことでいいと思います。
あとは、タンパク質と脂質をとるjことに憶病にならないことかな。
ここを我慢しちゃうと、結局、炭水化物を余計にとることになっちゃうから。




そぅですね
臆病になりすぎてました

一応ご飯は、市販の玄米など一六穀米などまぜて食べてるのですが たまには かわりに ブランフレークやさつま芋半分などに変えてみるのもいぃですょねタンパク質は 豆腐など食べてるので たまには 揚げ物なんかも食べてみます

 栄養士会は現在、食育に邁進している状態です。
 残念ながら、食育は科学と言うより、どちらかというと精神論です。それもお米原理主義的ナショナリズムの影響を大きく受けております。
 身土不二という言葉が出てくる時点で終わっております。

 私も、管理栄養士の肩書きで仕事をしている身分なのでこの現状についてはお恥ずかしい限りです。
 
 これからも自分の出来る範囲で、啓蒙活動を行っていくつもりです。
 

☆さん

糖尿病(予備軍も含めて)食べてはいけないものはないはずです。
大切なのは、総カロリーと栄養素のバランスです。
私が毎回の食事で気をつけているのは、炭水化物を取り過ぎないことと、飽和脂肪酸(動物性の脂)をなるべく取らないことです。
その2点を注意しながら、なるべくいろんなものを食べるようにしています。
今のところはそれでなんとかうまく行っています。

どらねこさん

テレビなんかに出てくる栄養士のコメントを聞いてると、時々「???」ってのがありますが、どらねこさんのブログは100%納得できます。

食育という教育的要素が加わると、どうしても道徳的、愛国的になっちゃうんでしょうかね?

「身土不二」という言葉、初めて聞きました。ネットでいろいろ調べたら、トンデモ的な論調もけっこうありますね。

英語に「You are what you eat」って表現があります。「食は人なり」、つまり「何を食べるかでその人となりが判る」ってことだと思うのですが、食とはその人の生き様であったりするわけで、誰もが自分の食生活を否定されたくはないんでしょうね。

そんな意味で、食と言うのは時にイデオロギー化するんだと思います。

はじめまして

 私は、入院病棟と外来をもつ、小さな病院で働く管理栄養士です。新卒で勤め始めて、3年が経ちました。 
 人間的にも、栄養士としても、まだまだ未熟者で、日々勉強させていただいています。

 勤めてから、現場が見えてきたと言うか、医療の実情が見えてきたと言うか…。
 現行の治療方針に、疑問を抱いていました。 
入院患者さんの中に、治療食しか召し上がらないのに、高血糖を繰り返す患者さんがいらっしゃり、なんとか改善したいという思いで、たくさんのブログを拝見し、カステーラさんの記事に巡り合うことができました。

 本当に、納得できることばかりで、患者さんのご容態についても、カステーラさんの考察やご紹介いただいた情報に、ほんとうに当てはまり、私は泣きながら読みました。
 私が患者さんにしてきたこと、病院の方針、学校で学んできたことはなんだったのでしょうか。
 過去の記事や皆さんのコメント欄、すべてを拝見してからでないと、コメントを残すのは失礼だと思っていましたが、今、

>この7段階を経るまでに、通常10年~20年がかかるといわれています。糖尿病患者の思いとしては、この7段階・12年間の間に何か食い止める手段はなかったのかということです。


この一文を見て、そんな時間はない!!今すぐにでも変えていかなければ!という気持ちに駆られました。

私一人では、病院の方針を変えることはできないので、院長や他のスタッフに相談したいと思います。
 
 また、健康診断で糖尿病に該当した方の栄養指導もさせていただいています。
 この方々に、糖質制限食を紹介し、カーボカウントを勧めることができることを使命と思って、これからたくさんの人の力になれたら…と思いました。


>メタボ検診が始まり、ヘモグロビンA1cが5.2%から注意が促がされるようになりました。このとき、指導対象となった人にぜひ伝えて欲しいのは「あたなはインスリンの分泌異常から、普通の人にはない異常な食欲が起こっている可能性がある」ということです。「その異常な食欲を抑えこむためにも、炭水化物の量には注意した方がいい」という事です。

…この言葉、胸に響きました。より多くの人に伝えたいです。

これからも、よろしくお願いします!(*^-^*)





 

>蒼いさん

初めまして。
栄養士さんからのコメントはとてもうれしです。

今の日本で指導されている糖尿病食には、それ自体で血糖をコントロールしようという意図はないのだと思います。

バランスがいいとされる(これも根拠に乏しいのですが)食事で、総カロリーを制限し、体重を落とすことで耐糖能を良くしようということなのではないでしょうか?

ですから今の糖尿病食は、基本的には薬やインスリン注射を処方することが前提となっているのです。つまり、人間として普通の食事をし、足りないインスリンは外から補うという考えです。

しかし、それだけが唯一絶対の方法ではありません。今、世界で主流になろうとしているのは、自分が分泌できるインスリン量に合わせて食事をするという考え方です。

私をはじめ、このやり方で糖尿病という絶望の淵から這い上がった患者はいっぱいいます。このやり方は、多くの糖尿病患者に希望を与えるものだと思うのです。

私は、お医者さんと栄養士さんに、ある一点を患者に伝えてほしいと願っています。それは

「血糖値を上げるのはカロリーではなく炭水化物である」

ということです。

このことさえわかれば、多くの糖尿病患者は、自分の意志でどんどん血糖値を下げることができるのです。中にはアクセルを踏みすぎたり、ハンドルさばきを誤る患者さんがいるかも知れませんが、そこはお医者さんと栄養士さんが適切に指導してあげてください。

いずれにしても、一人ひとりの小さな力を結集して、大きなうねりにしていくことが必要だと思います。そんな意味でも、医療従事者が理解してくれることは嬉しい限りです。





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プロフィール

カステーラ

Author:カステーラ
東京都在住、61歳。
2007年2月、糖尿病発症。
現在、服薬なしでカーボカウンティングという食事療法を実践中。
「カーボカウントってなに?」という方は、まずこちらから。

ヘモグロビンA1c(体重・BMI)推移
2007年2月:9.3%(64kg・22.9)
2007年3月:7.5%(62kg・22.2)
2007年4月:6.0%(60kg・21.5)
2007年5月:5.3%(58kg・20.8)
2007年6月:4.8%(57kg・20.4)
2007年7月:5.1%(57kg・20.4)
2007年8月:4.8%(57kg・20.4)
2007年9月:5.0%(58kg・20.8)
2007年10月:5.0%(57kg・20.4)
2008年1月:5.3%(56kg・20.1)
2008年5月:5.2%(56kg・20.1)
2008年7月:5.3%(55kg・19.7)
2008年10月:5.2%(58kg・20.8)
2009年1月:5.2%(58kg・20.8)
2010年7月:5.4%(58kg・20.8)





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