カーボカウントな日々

血糖値を上げるのは炭水化物(カーボ)です。炭水化物さえ摂らなければ血糖値はほとんど上がりません。 今、世界の糖尿病治療は、食事の炭水化物をコントロールするカーボカウンティングが主流となっています。

短命の理由

2008 - 01/29 [Tue] - 17:42

ひょんなきっかけで『日本の長寿村・短命村』という本を読みました。

東北大学の名誉教授で医学博士の近藤正二氏が、戦前、戦中、戦後の36年にわたって、日本全国の町や村の長寿率(全人口に対する70歳以上の割合)と食生活の関係を調べ上げ、それを本にまとめたものです。

彼のすごいところは徹底した実証主義だということです。彼に机上の理論はまったくありません。80歳以上の老人がごろごろいる長寿村に行っては、食生活や生活習慣を徹底的に調べ上げ、70歳以上はほとんどいないような短命村に行っては、食べ物の嗜好やそういう嗜好に至った歴史的背景を探りします。

そんな彼が短命の一番の理由として挙げているのが、白米の大食いでした。野菜や大豆を食べず、米ばかりを大食いする人たちは、間違いなく短命だというのです。

本の中から一部を引用します。

若いころから、お米ばかりたくさん食べていた人は、みんな若死をしてしまうということです。例えば東北地方の米どころの生活ならば、みんなそれです。
なかでも、特に一番短命なのは秋田県ですが、ここの米どころの人は白いご飯を大食します。しかも塩辛い大根の味噌漬け、なすの味噌漬けなどをおかずにして、まっ白いご飯を驚くほど、たくさん食べます。

(中略)

幸か不幸か白米のご飯をたくさん食べるものだから、カロリーはとり過ぎるくらいとっている。遊んでいるときでも六合、七合という米を大食し、絶対必要とするたんぱく質も米からとっているのです。こういう食事を若い時からやってきた人は、みんな四十歳ごろから、脳溢血で倒れます。結局これが、そうした村の短命の原因です。


たとえば、沖縄県などでは概して長寿率が高いのですが、ときどきびっくりするくらい短命の村があったりします。不思議に思って訪ねてみると、沖縄では珍しく米作が盛んに行われている集落だったりするそうです。

また、同じコメどころでも新潟や富山では畑作も行われており、田んぼのあぜには大豆を植える習慣があるので、逆に長寿の村が多いそうです。

大飯喰らいに脳溢血が多いというのを今の医学で説明するなら、「精製された炭水化物の大量摂取→血糖値の急上昇→インスリンの過剰分泌→動脈硬化→脳溢血」ということになりそうです。

おそらく昔の人は運動量が豊富だったために、糖尿病にまでは至らなかったのではないかと思います。しかし、度重なるグルコーススパイクと高インスリン血症で血管は常に傷めつけられ、糖尿病を発症する前に脳溢血で倒れて行ったのでしょう。

糖質制限に反対する中には、「日本人は米を主食とした食習慣で長寿を保っているのだから、今さら欧米の真似をすることはない」という人もいますが、実は、米が日本人の寿命を縮めていたとは思いもしないのでしょうね。





 コメント

コペルニクス的転回ですよ…

いやいや、「コメ」の大食いが短命の原因とは…。そこまでとは思いませんでしたが、実証的にいえば、そうなるのでしょうね。
日本人は、もう一度、食生活を見直す必要がありそうです。
このままでは、DMの増加に歯止めはかからないでしょう。
「コメ」を食べ過ぎず、かつ炭水化物を制限しつつ、どうやって「食料自給率」を上げ、食料を確保するか…。
そんな事考えている政治家も官僚もいないだろうな…。
政治家こそ、DM多そうなんですけどねぇ。

きちんとした論文などは分からないのですが
東北地方と沖縄の塩分摂取量は3~4gほど違ったと思います。
沖縄は10g未満のあたりを維持しており、全国でも塩分摂取量が低い地域となってます
現在の日本では30歳以上の2人に1人が高血圧なので
高血圧→脳溢血というつながりではないのでしょうか。

精製炭水化物の罪悪

こんにちは

アンドルー・ワイル医師の『ワイル博士の医食同源』という本でも精製炭水化物が非難されてます。
彼は、アトキンス式などのローカーボ食を激しく糾弾する一方で、精製炭水化物は有害だとはっきり言明されていました。精白米や精製小麦粉だけでなく、加工食品に含まれるコーンシロップや果糖などの”隠れた糖質”も問題ですね。

近藤正二先生と同じ東北大学名誉教授で、元日本糖尿病協会理事長の後藤由夫氏が、食事療法でカーボカウント導入を提案されてますが現状では難しい、というコラムを書かれておりました。
http://www.dm-net.co.jp/gotoh/2007/12/60.html

shoさん

「米が主食」という考え方が、日本人の糖質制限食やカーボカウントの普及を妨げているような気がします。外食なんかした場合、米抜きでは食事が成り立ちませんから。

政府が米を特別なものにしてしまった結果、日本の農業はダメになってしまったと僕なんかは考えています。米だけは世界一高いものを食わされ、そのほかの食料は中国からどんどん安いものを輸入する。

今、日本を震撼させている食の安全という問題を含めて、どこかアンバランスな気がします。

マルさん

全ての栄養素を米だけで摂ろうとすると、相当の量を食べなくてはいけないんだと思うんです。それが昔の人の一升飯喰らいになるんだろうと。つまり偏食は大食いになるんでしょうね。

で、大量の米だけでは喉を通らないから、どうしても塩分が増える。それが東北人の塩分摂取が多い理由じゃないでしょうか?

ただ、高血圧→動脈硬化→脳溢血なのか、動脈硬化→高血圧→脳溢血なのかは、議論がわかれるところでしょうね。私は、高血圧の原因を排除するより、動脈硬化の原因を排除するほうが先なんだろうと思っています。

A.F. さん

炭水化物全てが悪いのではなく、精製された炭水化物と砂糖水(清涼飲料水)が糖尿病の原因とする人は多いですね。
ただし、一度糖尿病になってしまったら、もう全ての炭水化物は血糖値を上げる原因になってしまいますが。

後藤由夫氏の例のサイト、しばらく前に全て読んで、このブログでも紹介させてもらったのですが、まだ続いていたのですね。
非常に見識の高い方だとは思っていましたが、やはり今の交換表のやり方には問題が多いと認識しているのですね。

誰もがおかしいと思いながらなかなか変わらない、それが日本的組織の最大の特徴なんでしょう。

ちょっと書き方がわるかったですねtt。
基本的に、動脈硬化→脳溢血・心筋梗塞の順ですね
動脈硬化というのは、年をとれば誰でも血管は脆くなってきます。
加齢による動脈硬化の他に、高血圧や喫煙・遺伝や食後血糖値も関係しているといわれています。
なので、動脈硬化の原因を除く=上記の原因を除くことになりますね。

マルさん

こちらこそ書き方が悪かったかもしれません。

高血圧が動脈硬化を起こすというのもあるのでしょうが、動脈が硬くなるから血圧を高くしないと、末端の組織まで栄養や酸素がいきわたらないっていうのもあるんだと思います。要するに、卵が先か鶏が先かって話ですよね。

年を取ると血圧が高くなるのは理由があってのことなんだから、むやみに薬で下げるべきではないというお医者さんもいます。私にはどちらが正しいのかは分かりませんが。

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プロフィール

カステーラ

Author:カステーラ
東京都在住、61歳。
2007年2月、糖尿病発症。
現在、服薬なしでカーボカウンティングという食事療法を実践中。
「カーボカウントってなに?」という方は、まずこちらから。

ヘモグロビンA1c(体重・BMI)推移
2007年2月:9.3%(64kg・22.9)
2007年3月:7.5%(62kg・22.2)
2007年4月:6.0%(60kg・21.5)
2007年5月:5.3%(58kg・20.8)
2007年6月:4.8%(57kg・20.4)
2007年7月:5.1%(57kg・20.4)
2007年8月:4.8%(57kg・20.4)
2007年9月:5.0%(58kg・20.8)
2007年10月:5.0%(57kg・20.4)
2008年1月:5.3%(56kg・20.1)
2008年5月:5.2%(56kg・20.1)
2008年7月:5.3%(55kg・19.7)
2008年10月:5.2%(58kg・20.8)
2009年1月:5.2%(58kg・20.8)
2010年7月:5.4%(58kg・20.8)





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