糖尿後進国・日本
たまたまたどり着いた「糖尿病ネットワーク」の『私の糖尿病50年』というコーナーで、驚愕の事実を知ってしまいました。なんと日本では1981年までインスリンの自己注射は認められていなかったというのです。
以下、当該サイトからの引用です。
小児糖尿病はインスリン注射さえ十分に行えば元気に成長してゆける。現在のこの常識は40年前は通用しなかった。何よりも障壁となったのは、インスリンの自宅注射(自己注射)を医師会が認めなかったことである。
(中略)
このような状況だったのでいろんなことに恵まれた人でなければ治療を続けることは困難であった。悲しい報せを何度も聞いたがどうすることもできなかった。
欧米の本をみると、インスリンの自己注射は当たり前のことで、インスリン注射を続けながら成長してゆく楽しそうな写真が沢山載っていて、日本でもこのようにならないかなあ、と思うばかりであった。
ジョスリンの糖尿病手引きにある2歳11カ月の小児が
インスリン注射をしている写真
第7版,122頁,1941年
要するに当時の日本の医師会は「注射」という医者の特権を手放したくなかったのでしょう。「注射が必要な病気なら、1日2回でも3回でも病院に足を運んで医者に打ってもらえばいいじゃないか」というという発想です。患者の利益より、あくまで自分たちの利益優先なのです。
結局、世界で当たり前のこととして行われているカーボカウンティングが、日本で否定され続ける理由も、こんなところにあるような気がしてなりません。
食事の炭水化物を制限すれば血糖値は上がらないので、インスリンを含めた薬の消費は明らかに減ります。しかし、患者の負担軽減は医者や製薬会社の利益軽減でもあるのです。
薬害エイズ事件でも明らかになったように、危機感を持った製薬会社は、研究費という名目の多額の金品や、天下り先という甘い餌で、医学会の権威や厚生労働省の役人をいとも簡単に動かします。そう考えれば、理由にならない理由をつけてカーボカウンティングを否定する、糖尿病の偉い先生たちの言動も分からないではありません。
ただし、そんな医療行政の闇の部分とは別に、糖尿病の現場で働いてきた医師たちの苦難の足跡を知るという意味では、非常に興味深いサイトではありました。
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