血糖値の劇的改善法
私の糖尿病が発覚して、もうすぐ2年が経とうとしています。その間、現実の社会やネットを通して、いろんな糖尿病患者を見てきました。中には漫然と薬を飲み、食べ物には気をつけているといいながら、ヘモグロビンA1cが7%台、8%台のままという人もいます。しかし一方では、薬に一切頼らずヘモグロビンA1cをきっちり4%台、5%台に維持している人も珍しくありません。
そういった優良患者は、だいたい3つのパターンに分かれるようです。
①20kg、30kg単位での大幅な減量を成し遂げた人
そもそも標準体重を20kgも30kgもオーバーしている人は、そこまで太れるだけの十分なインスリン分泌能力があるということです。インスリンはたっぷり出るけれど脂肪細胞がパンパンで、これ以上、糖を受け入れる余裕がないために高血糖が解消されないのです。こういう人が肥満を解消すると、血糖値は見事に下がります。
②中毒と言えるほど運動に没頭している人
糖尿病をきっかけに運動療法を始め、やがて体を動かす喜びに目覚めてしまう人は結構多いです。特にジム通いながら、ランニング、スイミング、エアロビクス等の有酸素運動に取り付かれたように没頭していく人たちは、みるみる血糖値を下げてしまいます。これは運動による体脂肪の減少に加え、筋肉増強によってインスリン感受性が大幅に向上するからです。
③炭水化物の摂取を徹底して控えた人
炭水化物を摂らなければ、食後の血糖値はほとんど上がりません。ですから、これまで血糖値を下げようとフル稼働だったすい臓に十分な休養を与えることができるのです。また、体脂肪の多くは余ったブドウ糖が変化したものなので、その元となる炭水化物を控えることで、減量効果も生まれます。そのため、血糖値は面白いように下がります。
糖尿病(あるいは予備軍)の診断を受けたら、最初の半年がものすごく重要です。肥満があれば、とにかく減量する。常に体を動かし続ける。そして、炭水化物の量を控える。糖尿病がまだ初期であれば、この3つの方法でヘモグロビンA1cは必ず基準値の5%台に下がるはずです。
この時点で一度5%台に下げてしまうと、その後一生続く血糖値のコントロールはものすごく楽になります。一緒に頑張りましょう。
コメント
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”炭水化物を摂らなければ、食後の血糖値はほとんど上がらない”のですか?初めて知りました。
私は糖尿病の気は全くないのですが、読んでいていろいろ勉強になりました。
その通りですね!
私の場合は、②と③ですが、②が濃いですね(笑)!
皆さん、そうおっしゃると思います…。
私も、確かに、食べ物に気をつけているといいながら、漫然と薬を飲み続けてきました。
現在、薬なしといっても、さすがに病歴が長かったですから、A1cは6%台前半が精一杯です…。
カステーラさんのように、早い段階からカーボカウントという管理法を取り入れることができれば、その後のコントロールに余裕が持てたと思います。
おっしゃる通りです。
一人でも多くの方が「事実」を受け止め、「自己管理型療法」への気付きを持っていただきたいですね。
私は、これからも、ますます②でいきますよ(笑)。
シニアさん
砂糖や白米、小麦粉などの精製された炭水化物が血糖値を乱高下させ、それが動脈硬化をもたらすということを、医者も患者ももっと真剣に考える必要があると思っています。
shoさん
ブログの方はときどき覗かせていただいていましたが。
shoさんの運動量にはいつも感心させられていましたが、中毒的なレベルだったとは…。(笑)
糖尿病というのはなり始めであれば減量と運動と食事で、十分コントロールできるものだということを、お医者さんも認識する必要があると思います。薬というのは、そういう努力をしたくないという人の最後の手段であるはずなのに、あまりに簡単に処方しすですね。
お互い、その生きた見本となるために頑張りましょう。(笑)
匿名さんへ
素晴らしいですね。炭水化物を控えると、体重はみるみる減ります。脂肪が蓄積されないとか、脂肪をもやして必要なエネルギーをまかなうからとか、いろいろあると思いますが、血糖値の乱高下による異常な食欲がなくなるのも原因だと思います。
> ここ最近また 体重が停滞してしまってなかなか脱け出せません
食欲の秋というのもあるかもしれません。私も最近、体重は微増傾向ですから。まあ、秋は炭水化物が出回る季節、冬の飢餓に備えて体が体脂肪を蓄えようとしてるのかも知れませんね。
> 食生活をみなぉしだしてから 前と比べ少し便秘ぎみなんですそれに抜け毛が多くなった気がします。
炭水化物を控えると食物繊維の摂取が減るので、便秘になる人はいるようです。糖質の少ない野菜類を豊富に食べるようにするといいかもしれません。
あと、抜け毛ですが、私もここ数年、髪の腰がなくなったような気がします。これは老化もあるかも知れないですが、糖質制限と関連があるような気もします。ただし、江部先生のブログでは糖質制限で髪が太くなったという話がありました。
もしかしたら、急激な減量によるホルモンバランスの崩れが抜け毛につながったってこともあるかもしれませんね。
はじめまして
>鶴田オーさん
私は糖尿病というのは、発症当初であれば、きちんとした運動療法と食事療法で、かならず標準値に収まるのではないかと思っています。
課題はいかにβ細胞の負担を軽くしてやるかで、そのためには、「痩せる、運動する、食べない」ということに尽きるのではないでしょうか。まさに鶴田方式そのものです。
一番いけないのは、運動や食事はほどほどに、漫然と薬(特にSU薬)を飲み続けることです。これを数年やるとβ細胞は回復不能なほど、ダメージを受けます。
インスリン注射も一時的に血糖値を下げるためにはいいのですが、SU薬同様、肥満を増長します。やはり痩せないと本当の意味でβ細胞を休ませることにはなりません。
鶴田さんは克己心による糖尿病克服のお手本のような人なので、ぜひ、あとから続く糖尿病患者の啓蒙に努めてください。
ただし、カーボカウントへの批判はほどほどにお願いします。(笑)
はじめまして
2型が発覚して5ヶ月目のホランと申します。
いきなり不躾な質問で申し訳ないのですが記事中の
>糖尿病(あるいは予備軍)の診断を受けたら、最初の半年がものすごく重要です。
この半年というのはどういう基準というなのでしょうか?
異論があるとかそういうのではなくただただ素朴な疑問というか質問です。
>ホランさん
コメントありがとうございます。
最初の半年というのは、とくに深い意味はないんです。これが3ヶ月でも1年でもいいのですが、血糖値を下げるにしても、体重を落とすにしても、だいたい半年ぐらいが目安になるのと、そのぐらいならモチベーションも続くんじゃないかと思ったからです。
糖尿病というのはある日突然なるものではなく、発症の10年ぐらい前から、少しずつ糖の代謝が狂って来る病気です。そして、この高い血糖値が何年も何年も継続することがいろんな合併症につながるのです。長い糖尿病歴の一時期、血糖値をきちんと下げてしまうことは、高血糖が継続することの弊害を一度リセットするぐらいの強い力があると私は思っています。
以前、アメリカでDCCTという糖尿病患者を対象とした大規模な臨床試験が行われたのですが、この調査でも、一度厳格な治療で血糖値を下げた患者は、その後また血糖値が上がっても、合併症のリスクは少ないままだったという結果が出ています。
また、早期の厳しい血糖コントロールは糖尿病患者に長期的な有益性もたらすというデータもあります。
http://www.dm-net.co.jp/healthdayjapan/2008/09/10.html
http://www.dm-net.co.jp/healthdayjapan/2008/08/12.html
糖尿に気付かないうちは仕方ないですが、気付いたらとにかく一度正常に戻してしまう。それが、その後の糖尿病のコントロールをものすごく楽にすると私は思っています。
お返事ありがとうござます
カステーラさん詳しい説明と資料ありがとうございます。
私はBMI30超えの2型なので体重とHbA1c値(今年8月発覚時10.2→12月現在6.6にやっとなったところです)を早く正常に戻さないといけないのですが
体重のほうがなかなか思うように減らず気持ちばかり焦ってしまい上記のような質問をしてしまいました。
あれからカステーラさんおすすめの本のうち4冊を早速注文し今日届いたので今から必死に読み勉強しようと思っています。また覗きにきます。ありがとうございました。
>ホランさん
きっと、食事と運動を頑張ったんだと思います。
血糖値でそこまで変化が出たのなら、体重もきっと下がると思いますよ。
私自身の経験でいえば、炭水化物の多い食事はすぐにお腹がすくし、
いくらでも量を食べることができます。
でも、脂肪の多い食事はなかなかお腹が空かないうえに、
そんなに量を食べることができません。
もちろん、個人差や年齢的なものもあると思いますが。
お勧めの本、どのようなものを買われたのかはわかりませんが、
何か成果があったらまた教えてください。
管理人のみ閲覧できます
私は、まだ糖尿病とは診断されていないものの、骨密度や眼科などの周辺系(?)に医師が言うところの「老化現象」が見られ、同年代の同性より進んでいる「老化現象」は幼い頃からの長年の炭水化物の過剰摂取が原因では?と勘ぐっております。 数年前に、炭水化物を摂らない小食期間を体験したところ、健康に様々な好影響がありました。 やせ形で運動好きでもなく、現在は③炭水化物の徹底的な制限を注意深く行っており、血糖値に好影響が出ています。 自分に合った食事法を工夫していきたいと思います。
非常にためになり、また考えさせられる他の記事のご掲載にも感謝いたします。
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