カーボカウントな日々

血糖値を上げるのは炭水化物(カーボ)です。炭水化物さえ摂らなければ血糖値はほとんど上がりません。 今、世界の糖尿病治療は、食事の炭水化物をコントロールするカーボカウンティングが主流となっています。

糖尿病と十二指腸

2009 - 02/05 [Thu] - 18:25

ちょっと前の夕刊フジに面白い記事がありました。

超肥満者に対して行われる胃のバイパス手術で、ほとんどの人の糖尿病が治ってしまうというのです。

世界で年間数万件行われている症例で80%は術後、糖尿病の治療が不要になっているそうです。日本の減量手術の第一人者である笠間和典氏によると、同氏がこの6年間に行ったBMI32以上の糖尿病患者35人に対する胃バイパス手術では、治癒率100%だったとか。

どうやらポイントは食物が十二指腸を通らないことのようです。

同様の記事がないかとネット内を探ったら、You-Tubeにこんな動画がありました。



この番組に登場した8人も、全員が術後、糖尿病は完治したといいます。

執刀医によると、糖尿病が完治した患者を10~15年経過観察をしても、再発したケースは見当たらないとか。まさに完治といっていい状態だと思います。

肥満の解消が糖尿病の改善に役立つことは誰でも知っています。しかし、彼らはみな術後数日で糖尿病が治ってしまうというのです。この時点で、肥満はほとんど解消されていません。

ラットによる実験でも、十二指腸のバイパス手術をすると糖尿病の症状はなくなってしまい、再び十二指腸をつなげるとぶり返すことが確認されています。

十二指腸といえば、ここを糖質の食べ物が通過するとき、インクレチンというホルモンがでて、すい臓がインスリン分泌の準備を始めることが知られています。もしかしたら、その辺の機構がかかわっているのかもしれません。

事実、この手術を行うとインクレチンの一種であるであるGLP-1が増加するそうですが、糖質を感知するセンサーであるはずの十二指腸を取ってしまうわけですから、効果は逆になってしまいそうなものですが、そうではないところが不思議です。

どちらにしても、この十二指腸の不思議を解明するあたりに、糖尿病完治の手がかりがありそうな気はします。まあ、完治するからといっても、十二指腸を取ってしまう勇気は今のところありませんが。

  

チョコレートと血糖値

2009 - 02/13 [Fri] - 01:33

バレンタインデーが近づいているせいでしょうか、最近、「チョコレート 血糖値」で検索してくる人が増えています。

チョコレートというのは高カロリーのイメージがあるせいか、糖尿病にはかなり良くないお菓子みたいに思われているのかもしれませんが、実際にはそれほど血糖値を上げるとは思えません。

文科省の食品成分データベースによると、チョコレートのカーボ量は100gあたり約55g。普通、チョコレートは1パック50g程度なので、丸ごといっきに食べたところで、ご飯を茶碗に半分くらいのカーボ量です。

しかも、砂糖由来のカーボは白米よりも低GI。さらに、脂肪たっぷりなのでカーボの吸収もじっくり型。そんなこんなで、ブラックチョコのGI値は「22」とビックリするくらい低くなっています。血糖値を上げる力でいでば、たぶん煎餅とかクッキーの方がはるかに強力なはずです。

ということで、ちょっと早目にもらったバレンタインチョコで実験です。

実験材料はGODIVAのチョコレート詰め合わせ。ミルクチョコとホワイトチョコの合計20gです。成分表がなかったので推定カーボ量は11gとしました。

バレンタインチョコ


実験開始は夕食後3時間。ちょっと遅い食後のデザート感覚でいただきました。もちろん、愛情をたっぷり感じながら。(^^)

血糖値推移 

食前128mg/dl
食後30分126mg/dl
食後60分116mg/dl
食後120分113mg/dl

想像通りというか、想像以上にというか、血糖値は上がるどころか下がり続けました。

通常この時間帯は夕食のカーボに反応したインスリンがだらだらと出てる状態なので、デザートをぶち込むには最適なのですが、それにしても拍子抜けするほどの血糖値です。

ということで、チョコレートを上げようかどうか迷っている女性の皆様、(私に限って言えば)この程度の量を、食後のデザートとして食べる分にはまったく問題ないので、どうかご安心ください。(笑)


グリセミック・インデックスの怪

2009 - 02/17 [Tue] - 01:35

私の楽しみにしているブログのひとつに「どらねこ日誌」があります。管理人はおそらく栄養学を職業にしている方だと思うのですが、私みたいな文系人間には到底およばいな科学的な視点と、文才を持ち合わせた科学者独特のシニカルな筆致が心地よく、私にとっては秘かな憧れでもあります。

そんな「どらねこ日誌」に最近、コショウのグリセミック・インデックスを扱った記事がエントリーされたのですが、私が日ごろ感じていたグリセミック・インデックスの問題点を、実にうまいこと表現してくれていました。

ご存じのとおり、グリセミック・インデックス(以下GI値)とは、ある食品の血糖値の上がりやすさを指数化したものです。

食後の血糖値を上げるのは炭水化物ですが、同じ量の炭水化物でもどんな食品に含まれるのかによって血糖値の上がり方が違います。たとえば、白い食パン100gには約50gの炭水化物が含まれています。また、スパゲティ70gにもやはり約50gの炭水化物が含まれています。

白い食パン100gとスパゲティ70g。どちらも同じ50gの炭水化物を含んでいいるのだから、血糖値の上がり方は同じかというと、そうではありません。パンの方が血糖値が上がりやすいのです。一般的に食パンのGI値は95、スパゲティのGI値は55とされています。

このGI値はどうやって求めたかというと、大勢の被験者を集めて、実際にいろんな食品から50gの炭水化物を食べてもらい、その後の血糖値の推移をグラフ化して、その曲線下面積を比較することで求めているのです。

ところが、ネット上に上がっているいろんなGI値表を見ると、けっこういい加減なものがたくさんあります。

どらねこさんも指摘していたように、コショウのGI値73っていったいどうやって調べたのでしょう。まさか、炭水化物50gを含む、75gものコショウを実際に食べたとはとても思えません。

同じような疑問は他の食品にもあります。ネットには肉やバターのGI値を掲載しているものがかなりありますが、豚肉から50gの炭水化物を摂るためには、約50kgもの肉を食べなければならないことになります。同様に、バターは20kgも食べる必要があります。そんなの不可能ですよね。

たとえばこのサイトみたいに「食品100gあたり」としたGI値リストもけっこう出回っているようですが、それにしたって、豚肉が同量のリンゴより血糖値を上げるとは絶対に思えないし、バターが同量の牛乳より血糖値を上げることはありえません。

さらに、上白糖のGI値を108としているものもかなり多いですが、砂糖はブドウ糖半分、果糖半分から成っており、果糖は肝臓ですぐに中性脂肪に変わってしまうため、血糖値をほとんど上げません。そのため、砂糖のGI値は60前後というのが正しいのです。

私がネットのGI値で信じられると思うのは今のところこのサイトぐらいです。信頼できるかどうかの基準は、肉やバターや卵のGI値が載っていない事、砂糖(しょ糖)のGI値が60前後であることです。

例のサイトから目ぼしいものを引用します。

●糖類

麦芽糖110
ブドウ糖100
蜂蜜90
砂糖59
ジャム55
果糖20

●穀類
食パン95                               
ベークドポテト95      
マッシュポテト90
シリアル(加糖)70
とうもろこし70
米飯(白米)70
パスタ(精白)55
玄米50
シリアル(無糖)50
ライ麦パン40
パスタ(全粒)40

●菓子類
ポップコーン85      
チョコレートバー70
キャンデーバー70
クッキー70
アイスクリーム36
ブラックチョコレート22

●乳製品
ヨーグルト       36      
牛乳34

●野菜・果物
ニンジン

85

ジャガイモ70
バナナ62
サツマイモ48
オレンジ40
フルーツジュース40
リンゴ39
大豆15
緑黄色野菜・キノコ<15



健常者の連続血糖モニター

2009 - 02/20 [Fri] - 14:21

健常者の食後血糖値に関して、コメントのやり取りで話題になりました。よく言われるのは、「健常者は何をどれだけ食べても、食後の血糖値が140mg/dlを超えることがない」ということです。逆に言えば、何を食べても食後の血糖値が140mg/dlを超えない人を、健常者と言っていいのかもしれません。

私の妻はヘモグロビンA1cが4.8%で、一応、健常者とされる部類にいます。これまで、炭水化物をたっぷり摂ったような時は、何度か食後の血糖値を測らせてもらってきましたが、140mg/dlを超えたのはたぶん1度だけです。それ以外はたいてい120mg/dlとかそんなもんです。

私が衝撃を受けたのは、「さかえ」に載っていた健常者の24時間血糖モニターのグラフです。140mg/dlどころか、最高でも100mg/dlをやっと越えるかというレベルで推移しているのです。これぞ完璧な耐糖能というのでしょう。

ken.jpg

同時に、食後高血糖を示す例も載っていました。3回の食事のあと、血糖値はきれいに200mg/dlまで上昇しています。空腹時の血糖値は100mg/dl前後なので、おそらく糖尿病という診断は下ってない人だと思いますし、ヘモグロビンA1cもおそらく5%台のはずです。しかし、この状態が何年も続くと、動脈硬化は確実に進みます。

tou.jpg

国際糖尿病連合の新しいガイドラインでも、食後血糖値の重要性が取り上げられ、食後2時間の血糖値を140mg/dlにするという目標値が設定されています。

糖尿病のコントロール示す最も重要な指標は、空腹時血糖値からヘモグロビンA1cに移りました。しかし、空腹時血糖値やヘモグロビンA1cが基準内でも、食後高血糖は普通に起こっていることを考えれば、これからは食後1時間値、2時間時が最も重要視されるようになるのではないでしょうか?

※グラフはいずれも「さかえ」2008年5月号より


糖尿本ランキング

2009 - 02/26 [Thu] - 17:25

サイドメニューにある「おすすめ書籍」のコーナーを、久しぶりに更新しました。

糖尿関連の本は今でも結構読んでるんですが、新しく読んだ中である程度おすすめできるかなという3冊を追加しました。

その中で一番のお勧めは、このブログにコメントを頂いたこともある杉本先生編の「カーボカウンティング実践ガイド」です。これまで、日本で出版されたカーボカウント関連の本は「かんたんカーボカウント」というのがありましたが、やはり糖尿病学会に遠慮してか、カロリーに占める炭水化物のカロリー比はあくまで60%が原則でした。そういう意味では、日本で初めてカーボ比60%の呪縛を解かれたカーボカウント本と言っていいと思います。

今回、本を紹介する上でアマゾンのアフィリエイトからリンクを作成したのですが、その時、面白いものを見つけました。アマゾンでのランキングです。面白いので、糖尿病関連の本の中からベストテンを選んでみました。(糖尿病食のレシピや民間療法的なものは除きました)


 主食を抜けば糖尿病は良くなる! ⇒7,045位


 糖尿病は薬なしで治せる ⇒13,118位


 糖尿病専門医にまかせない ⇒13,259位/47,611位
 

 主食を抜けば糖尿病は良くなる! 実践編 ⇒13,908位


 糖尿病は治せる 低糖質食の威力 ⇒33,037位


 わたしはこうして糖尿病患者を救っている ⇒33,283位


 カーボカウンティング実践ガイド ⇒42,442位


 薬もインスリンもやめられた! 新しい糖尿病治療 ⇒43,186位


 糖尿病は「腹やせ」で治せ ⇒54,912位


 糖尿病の新常識 糖質ゼロの食事術 ⇒58,587位


ベスト10のうち8冊までが、“炭水化物を意識した食事の勧め”に基づくものです。インターネットのマーケット動向は、一般のそれに先行しているとすれば、“カロリーからカーボへ”という流れは、確実に進んでいると言っていいのでしょう。10冊中、糖尿病専門医の執筆が2冊しかない点も、これ流れが従来の常識を覆す、パラダイムシフトであることを物語っています。


以下、20位までの書籍もリストアップしておきます。お勧めは⑬位の「糖尿病患者のためのカーボカウント完全ガイド」と、⑳位の「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」です。どちらもちょっと高いですが。

かんたんカーボカウント ⇒66,818位
「脱・糖尿病」の裏ワザ ⇒78,916位
糖尿病患者のためのカーボカウント完全ガイド ⇒81,282位
糖尿病とたたかう ⇒85,924位
糖尿病に薬はいらない!  ⇒105,529位
SMBGのすべて ⇒107,751位
血糖値がみるみる下がる100のコツ ⇒123,745位
糖尿病―自分のために、できること ⇒156,888位
最新 血糖値を下げる知恵とコツ ⇒212,228位
バーンスタイン医師の糖尿病の解決 ⇒254,781位


実は、糖尿病関連の本の中で、こに挙げたどれよりも売れている本があります。

 食品交換表 ⇒1,624位


同じ日本糖尿病学会から、1日も早く「カーボカウント法」という本が出て、「食品交換表」より上位にランクされることを願っています。

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プロフィール

カステーラ

Author:カステーラ
東京都在住、61歳。
2007年2月、糖尿病発症。
現在、服薬なしでカーボカウンティングという食事療法を実践中。
「カーボカウントってなに?」という方は、まずこちらから。

ヘモグロビンA1c(体重・BMI)推移
2007年2月:9.3%(64kg・22.9)
2007年3月:7.5%(62kg・22.2)
2007年4月:6.0%(60kg・21.5)
2007年5月:5.3%(58kg・20.8)
2007年6月:4.8%(57kg・20.4)
2007年7月:5.1%(57kg・20.4)
2007年8月:4.8%(57kg・20.4)
2007年9月:5.0%(58kg・20.8)
2007年10月:5.0%(57kg・20.4)
2008年1月:5.3%(56kg・20.1)
2008年5月:5.2%(56kg・20.1)
2008年7月:5.3%(55kg・19.7)
2008年10月:5.2%(58kg・20.8)
2009年1月:5.2%(58kg・20.8)
2010年7月:5.4%(58kg・20.8)





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日本人の医師と栄養士と患者が書いた、“初の”と言っていい真のカーボカウンティングガイド。どちらかというとプロ、マニア向け。


●低糖質食の威力
やはり糖尿病を発症したお医者さんの書いた本。なぜ糖尿病になった医師はみな、学会のガイドラインを無視してローカーボに走るのでしょうか?


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炭水化物(糖質)はほとんど摂らないというお医者さんの本。この程度の糖質量でも立派に生きていけるという意味では貴重な実録(?)。


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日本では数少ない、カーボカウントを推奨する糖尿病専門医の本。我々カーボカウンターの心の支えとなる一冊です。


●主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編
やはり2型糖尿病患者であるお医者さんの書いた本。炭水化物が血糖値に及ぼす影響を理論的にわかりやすく解説してくれています。


●毎日の食事のカロリーガイドブック
日常よく口にする食べ物のカロリーはもちろん、炭水化物量までが写真と共に明記された、カーボカウンター必携の一冊。


●カーボカウント完全ガイド
カーボカウンティングの本場、アメリカの糖尿病協会から出版されたガイドブック。カーボカウントのすべてがこれ一冊で分かります。


●わたしはこうして糖尿病患者を救っている
糖尿病で失明する患者を数多く診てきた眼科医が書いた本。高炭水化物食を平気で勧める日本の糖尿病医療を厳しく批判しています。


●糖尿病最初の1年
アメリカの2型糖尿病患者が書いた本。糖尿病の主治医は自分であるという発想がいかにもアメリカ的。カーボカウントと血糖自己測定を基本とした最強の患者学が語られています。