カーボカウントと糖質制限の違い
去年の2月に糖尿病を宣告された時、片っぱしから糖尿病関連の本を読みました。その中の一冊が『主食を抜けば糖尿病はよくなる』でした。
糖尿病食はカロリー制限食だと思っていた私は、この本で目から鱗が落ちました。血糖値を上げているのはカロリーではなく炭水化物(糖質)だということを知って、すべての謎が解けた気がしました。
その後『糖尿病専門医にまかせない』という本で、カーボカウントという食事療法があることを知り、興味は海外の糖尿病療法へと向かいます。
非常に勉強になったのはアメリカ糖尿病協会(ADA)のサイトでした。ここで、血糖値をコントロールするための、最先端の方法論を学びました。
残念ながら、日本で出されている糖尿病関連の書籍の多くは、屁の突っ張りにもなりませんでした。血糖値と炭水化物の関係に触れず、カロリー制限を食事療法の基本に据えている時点で、理論的な説得力をなくしてしまうのです。
ここで、私がアメリカ糖尿病協会から学んだ「カーボカウント」についての考え方を復習しておきます。
まず、炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質の三大栄養素のうち、血糖値の上昇に最も影響を及ぼすのは炭水化物だということです。ですから、糖尿病患者は食事の炭水化物量に最も注意を払わなければいけません。
一方、血糖値は運動によってリアルタイムに下がります。ですから、炭水化物を食べすぎたと思ったら運動をする。運動ができない場合は炭水化物を控える。そうすることによって、食後の血糖値は自分の意志でコントロールできるのです。
大切なのは食事の炭水化物量を把握すること。そして、どのくらいの炭水化物が血糖値をどのくらい上げ、どんな運動が血糖値をどのくらい下げるのかを、血糖測定でしっかり確認することです。
つまり、「炭水化物量の把握」と「血糖測定」、それに「運動」を加えた三本柱で血糖値をコントロールしようというのがカーボカウントなのです。
世の中には江部先生の提唱する糖質制限とカーボカウントを同じものだと思っている人もいるようですが、実はかなりかなり違いがあります。江部先生自身も「糖質制限は糖質管理(カーボカウント)をさらに徹底したもの」として、両者が別物であることは認めています。
では具体的に、糖質制限とカーボカウントは何がどう違うのでしょう。
まず、江部先生の糖質制限食では、すべての食品を「食べて良い食品」と「要注意食品」に分けていますが、カーボカウントに食べてはいけないものはありません。何を食べてもいいけど、炭水化物の総量に注意しましょうということです。
また、江部先生は血糖自己測定については特に必要性を説いてはいませんが、カーボカウントに血糖測定は必須です。何をどのくらい食べたら血糖は上がるのか、どういう運動をどのくらいしたら血糖は下がるのか、個人個人のデータベースを作るためです。
さらに、具体的なカーボ量で比較すると、アメリカ糖尿病協会ではカロリーに占める炭水化物の割合は40%〜60%の間で自由に決めていいことになっています。ただし、ジョスリン糖尿病センターなどの実例を見ると、実際には40%程度で行われる場合が多いようです。
一方、江部先生の提唱する糖質制限食は、一日一食は主食を摂るスタンダード糖質制限で炭水化物の割合は約30%、主食を全く摂らないスーパー糖質制限食で約12%です。アメリカ糖尿病協会では、1日130g(約30%)以下の低炭水化物食は長期的な安全性が確認されていないとしていますが、江部先生はまったく問題ないといいます。
私はカーボ比率12%の糖質制限食を否定するつもりはありません。それが直ちに危険だと言うことはないでしょうし、血糖値を改善する効果は高いのだろうと思います。糖尿病が発覚した当初、合併症がないことを前提に数か月続ける分にはいいでしょう。しかし、素人が主治医に隠れて一生続ける食事療法としてはどうかなと思うのです。
カーボ・ゼロを理想として、炭水化物はできる限り排除することがカーボカウントだと思っている人も多いようですが、私はむしろ逆で、体を騙し騙し、あの手この手を使って、いかに多くの炭水化物を摂り込むかがカーボカウントだと思っています。
だって、このさき一生、カレーライスも、ラーメンも、寿司も食べられない人生なんてつまんないじゃないですか。私の先輩であるYCATさんが、いつかこんなことを言ってました。「炭水化物は必要悪だ」と。この言葉が、カーボカウントの原点であるような気がしてなりません。
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インスリンの事前発動
朝からひどい雨だっていうのに、妻はゴルフに出かけて行きました。家に残った私と娘の昼飯は冷やし中華。この寒空に。
冷やし中華みたいな大量のカーボを摂取する時は、ちょっとしたコツがあります。インスリン分泌のスイッチを事前に入れておくのです。
私のインスリンの出方は「出遅れて出過ぎる」パターン。食後1時間で血糖値はピークを迎え、食後3時間にはむしろ低血糖気味になります。ですから、この低血糖気味の時に、次の食事のピークを持ってくるわけです。
大きな火事が起こることが分かっているなら、わざとボヤを起こして、あらかじめ消防隊を呼び寄せておこうって言う作戦です。
ということで、昼食の1時間ほど前にブルボンの「ガトーレーズン」を3個ばかりつまみ食い。カーボ量は36g。ちょっと多すぎの気もするけど、これでインスリン追加分泌のスイッチはオンに。
1時間程たって血糖値は141mg/dl。これが冷やし中華の食前血糖値。(ボヤがちょっと大き過ぎた)
本命の冷やし中華は、麺とスープでカーボ量80g。トッピングのカーボは全部合わせても5g程度かな。
食後1時間値(事前捕食から2時間)が130mg/dl。カーボを85gも摂ってこの血糖値って言うのは、ぜったいガトーレーズン用のインスリンが効いている。
食後2時間値(事前捕食から3時間)が125mg/dl。冷やし中華用のインスリンも現場に到着して血糖値はさらに降下。
というわけで、実験大成功!
お久しぶりです
同じ糖尿ブログ(?)を運営しているknacheさんが上京されるということで、オフ会に呼んでいただきました。
knacheさんとはこのブログの発足当初からのお付き合い。実は最初のコメントをくれたのも彼女で、ぜひお会いしたい方の一人でした。会ってみた印象は……、糖尿病というイメージから大きくかけ離れた、とてもチャーミングな女性でした。
カーボカウンターの特徴なのでしょうか、今回お会いした6人は皆さんスリムで若々しい印象の方ばかり。たぶん周りの人が見たら誰も糖尿病患者の集まりとは思わないでしょう。
そんな感じの6人が向かったのは、西麻布のオシャレなイタリアンレストラン。いただいた料理は、特別にアレンジしてもらったローカーボ・コース。牡蠣やら鴨やら子羊やらをたっぷり食べて、食後の血糖値はわずか97mg/dでした。カーボはほとんどゼロなのでこんなもんでしょう。

* * *
さて、3ヶ月以上も放ったらかしだったブログですが、今日集まった方から「失明でもして更新ができないのかと思った」と言われ大笑い。実際はまったく逆で、糖尿病患者としてのネタがなかったというのが本当のところです。
実を言うとこの数ヶ月、ほとんどカーボの制限はしていません。理由は体重があまりにも減りすぎてしまったこと。せめて58kgぐらいは維持したいということで、血糖値にはしばらく目をつむる覚悟でカーボ増量作戦を決行しました。
ラーメンも寿司もパスタもピザも一切躊躇することなく口にし、夕食も普通にご飯(白米)を食べていたら、55kgを切った体重も2ヶ月で58kgに回復しました。
恐らく現在、カロリー比に占めるカーボの割合は50%ほどだと思いますが、食後の血糖値はほとんど問題ないレベルに抑えられていますし、直近のヘモグロビンA1cも5.3%でした。血糖値と相談しながらカーボ量をコントロールする、これぞカーボカウントですね。
カーボ(糖質)量を闇雲に制限する「糖質制限食」と、食後の血糖値を見ながら自分に合ったカーボ量を見極める「カーボカウント」とは基本的に別物だと思っています。その辺の詳しいことについてはいずれまた記事にしたいと思っていますが、いつになることやら。





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