家族揃って血糖測定
正月、私の家族と両親、それに妹家族が一同に集まりました。正月料理の中でもおせちは比較的ローカーボのものが多いのですが、問題があるとしたら雑煮です。
ということで、家族全員、雑煮を食べた1時間後の血糖値を測ってみました。ちなにみ、具やだしのカーボはほとんどゼロ、餅は一切れあたりカーボ量約30gと推定されます。
A:53歳・男(餅2切れ)⇒137mg/dl
B:45歳・女(餅3切れ)⇒151mg/dl
C:15歳・女(餅3切れ)⇒122mg/dl
D:49歳・男(餅4切れ)⇒218mg/dl
E:46歳・女(餅2切れ)⇒154mg/dl
F:21歳・男(餅4切れ)⇒141mg/dl
G:17歳・男(餅4切れ)⇒136mg/dl
H:79歳・男(餅3切れ)⇒227mg/dl
I :78歳・女(餅2切れ)⇒171mg/dl
Aは私です。餅2切れ(カーボ60g)に抑えたのが功を奏して、成人の中では一番優秀な結果となっています。
Bは私の妻。糖尿病ではありませんが、先日の人間ドックではヘモグロビンA1cが5.0%だったので、私とほぼ同じ血糖レベルにあると言っていいでしょう。
Cは私の娘。さすが若いだけあって、カーボ90gで120台はご立派。
Dは私の義理の弟。随時血糖が200を超えていますから、糖尿病の疑いが濃厚です。健康診断でも血糖値が高目だと言われたことがあるそうです。
Eは私の妹。以前、食後血糖値が200を超えたことがあり、その後、意識してローカーボダイエットに励んでいますが、やはりまだちょっと高めです。
FとGは私の甥。二人ともカーボ120gですから、まあこんなもんでしょう。
Hは私の父。これまで血糖値を指摘されたことは一度もなく、時々測る食後血糖値もまったく問題なかったのですが、今回はなぜか200超。80近い老人の耐糖能っていうのはこんなものなのかも知れません。
Iは私の母。糖尿病歴30年のベテランです。現在、1日2回のインスリン注射をしていますが、カーボ60gの食後1時間でこのレベルなら、まあまあでしょう。
この中で、糖尿病の診断が下っているのは私と私の母の二人だけですが、それ以外にも200超が二人もいたことに驚いてしまいました。空腹時血糖値やヘモグロビンA1cは正常でも、食後200を超えるような高血糖を示す人っていうのは、結構多いのかもしれません。
ちなみに今回血糖値を測った9人は全員、BMI18~20のどちらかといえば痩せ型です。
アルコールは血糖値を下げる
日本の糖尿病治療では、酒は原則禁止となっているようです。まあ、日本の医療というのは糖尿病患者に対して聖人君子の生活態度を求めるようなところがって、確たるエビデンスもないまま、体に悪そうなものはとりあえず禁止しておこうという傾向があるように思います。
私自身、普段あまり酒を飲むほうではありませんが、たまに付き合いで飲んだとき、血糖値を測ってみると意外なほど低くてビックリすることがあります。
どうやら、肝臓がアルコールの処理に追われて、糖の新生を怠るのがその理由らしいです。しこたま飲んだ後、最後にラーメンやお茶漬けが欲しくなるのは、飲酒による低血糖を補うためという話もあります。
このようにアルコールが一時的な低血糖を起こすことは、医学的には常識のようですが、果たして長期的な血糖コントロールにどう影響を及ぼすかについては、あまりエビデンスはないようです。
そんな折、アメリカ糖尿病協会のサイトに、面白い研究結果を見つけました。飲酒習慣は2型糖尿病患者の、空腹時血糖値を下げるというものです。
109人の2型糖尿病患者を2つのグループに分け、片方のグループには夕食の際に150mlのワインを、もう片方のグループにはノンアルコールのビールを飲んでもらいました。
3ヶ月の実験の結果、ワインのグループは平均の空腹時血糖値が139.6mg/dlから118.0mg/dlにまで下がったのに比べて、ノンアルコールビールのグループは、136.7mg/dlから138.6 mg/dlと、ほとんど変化は見られませんでした。
特に、ヘモグロビンA1cの高い人ほど空腹時血糖値の低下は著しく、元々A1cの低かった人にはそれほど効果はありませんでした。また、食後の血糖値には影響を与えませんでした。
研究者は注意すべき点として、アルコールはあくまで適量であるということ、また、ワインの分として食事から100kcalを差し引くことを挙げています。
私自身、一時は100前後にまで下がった起床時の血糖値も、最近はまた110前後にまで上昇して来ました。夕食時のワイン150ml作戦、とりあえず3ヶ月試してみようと思います。
Alcohol Intake May Lower Blood Sugar
炭水化物の受難
去年の2月、簡易血糖測定器を買ってからというもの、すべての血糖値とそれにかかわっただろう食事や運動の内容を記録していますが、それ以外の生活の様子なども記録しておけるようにと、今年から手帳を持つことにしました。
たとえば、「今日はゴルフに行った」だとか、「一日家でゴロゴロしてた」だとかいう記録と、その後の血糖値のデータを突き合わせれば、より明確な傾向がつかめると思ったのです。
選んだ手帳は糸井重里プロデュースの『ほぼ日手帳』。1日1ページというたっぷりのスペースに加えて、時系列の行動記録が書き込めるのも魅力でした。
そんな『ほぼ日手帳』に「カロリーブック」のオプションがあるのを知ったのはつい先日のこと。
和食、洋食、ファストフードなど、約350種類以上もの食品のカロリーと栄養素の成分が載っているということで、これはカーボカウントに便利だと早速ネットで注文しました。
ところが、届いたカロリーブック。たんぱく質と脂質の項目はあるのに、一番大事な炭水化物がありません。カルシウムやビタミンC以上に関心の薄い項目ってことなんでしょうね。今の日本で、いかに炭水化物がないがしろにされているかがよくわかりますね。
とりあえず、以下のメールを送っておきました。さて、どんな返事か来ますやら。
今年からほぼ日手帳を使わせていただいております。
先日、オプションにカロリーブックがあることを知り、さっそく注文させていただいたのですが、なんと栄養素の項目に「炭水化物」がありませんでした。
確かに、タンパク質は腎臓病患者やボディービルダーにとって気になる項目でしょうし、カロリー制限の意味で脂質を気にしている人も多いかもしれません。しかし、私たち糖尿病患者にとって最も気になる栄養素は、血糖値を直接上げる炭水化物なのです。
欧米などでは糖尿病の食事療法としてカーボカウント(炭水化物管理)は常識ですし、日本でもかなり浸透してきています。また、ダイエットの観点からも、従来のローファットではなくローカーボの方が効果が高いとして、GI値や炭水化物量に注目している人はかなり増えています。
今年の分は無理だと思いますが、来年からはぜひとも炭水化物の項目を追加していただけるようお願いできないでしょうか。項目が増えすぎるというなら、ビタミンC、カルシウム、食物繊維のどれかは削除してもいいのではないかと思います。
全国に1000万人はいるといわれる糖尿病患者とその予備軍にとって、炭水化物量が記載された携帯カロリーブックは非常に有益だと思います。どうかよろしくご検討ください。
第2回、なんちゃって負荷試験
この前、自宅でブドウ糖負荷試験をやったのが去年の9月。そのとき買った150g入りのブドウ糖がそっくり半分の残ったままになってます。最近また自分の耐糖能がどうなのかが気になってきたので、第2回目を敢行することにしました。
前回は朝のテストでしたが、今回は昼にやってみました。朝、トースト、ハム、スクランブルエッグ、コーヒーという食事をとって4時間後、血糖値が89になったのを確認して、お湯に溶かした75gのブドウ糖を飲み干しました。
前回は少しでも本物に近づけようと炭酸で割りましたが、今回はただのぬるま湯。気持ち悪さもひとしおです。これまで、胃の検査で何回もバリウムを飲んできましたが、飲みにくさという点ではブドウ糖溶液の方がはるかに上です。本物もこんなに気持ち悪いものなのでしょうか。
30分後に測った血糖値は181。さすがにブドウ糖。一気に急上昇です。
1時間後は190。30分値とほとんど変わりません。どうやらこのあたりがピークのようです。ということは200に行かない?
1時間半で、125にまで下がりました。このまま一気に低血糖に突入でしょうか?
2時間値は、120。ちょっと足踏みですが、正常値とされる140を下回っています。
3時間後、やはりやってきました低血糖。なんと61です。この時点ではまだ明らかな低血糖症状は出てませんが、あと10分放置したら冷や汗と手の震えが出たと思います。
このときにために用意したロールケーキ2切れと、砂糖10gを混ぜたヨーグルトを食べてなんとか事なきを得ました。低血糖の対処も慣れたものです。
とうことで、第2回の自宅OGTT、2時感値だけ見れば見事正常型という結果になりました。とはいっても、1時間で190まで行くこと自体、正常でも何でもないんですけどね。
ということで繰り返しますが、良い子は絶対マネをしないように。
適度なローカーボとは
例によってアメリカ糖尿病協会のサイトにあった記事です。ニュースソースはアメリカ栄養士協会の機関誌らしいので、栄養士的立場からの研究なのかもしれません。
実は私、病院で栄養士からの食事指導を受けたことがありません。糖尿病と診断されたとき、医師から「1日のカロリーを1520kcalにしてください」と言われたのが、唯一の食事指導といえば食事指導です。
なまじ指導など受けなかったから、カーボカウントなどという食事療法も簡単に受け入れられたのでしょう。もし、美人栄養士かなんかにしっかり栄養指導をされていたら、今頃バリバリの食品交換表派だったかもしれません。
ローカーボ食は2型糖尿病患者に有益
炭水化物制限食は2型糖尿病患者の血糖値を改善し、有害な中性脂肪を減らすと考えられるが、減量に役立つかどうかは不明であるとする、最新の研究結果が発表された。
「多くの糖尿病患者は血糖値を下げる方法を模索しているものの、どんな食事がベストなのかについては混乱している」と、ウェーク・フォレスト医科大学のカーク博士は言う。
「炭水化物が血糖値に最も大きなインパクトを与えることを知っている医療従事者でさえ、患者にどんな食事を指示したらいいのか確信を持てないでいる」と彼女は言う。
カーク博士の研究グループは、2型糖尿病患者の炭水化物制限食に関する13の研究結果を集めた。アメリカ栄養士協会の機関誌の記事によると、「私たちはカロリー比5%~45%までの幅広いカーボ含有量についての研究を分析し、どの程度の炭水化物制限が糖尿病に最もいい結果をもたらすかを探った」とある。
その結果、ある程度炭水化物を減らすだけでも、血糖値や血中脂質の改善に効果があることがわかった。
たとえば、炭水化物の比率を65%から35%に減らすだけで、中性脂肪は約23%下がる。
しかしながら、炭水化物を制限することで体重が減るかどうかについては、はっきりしなかった。
カーク博士によると、1日130g以下の超低炭水化物食は、長期にわたる影響が十分調査されていないため、現時点で推奨するにはエビデンスが不十分だと言う。
ちなみに、130gの炭水化物量というのは、1200kcal食の43%、1700kcal食の30%、2200kcal食の24%にあたる。
「ほとんどの食事療法において炭水化物の制限は必須といえるが、必要な栄養素を犠牲にしてまで行うべきではない」とカーク博士は言う。「食事面でも健康面でも、大切なのは程々ということだ」。
Low-carb Diet May be Beneficial in Type 2 Diabetes
この研究によると、炭水化物は最低でも1日130gは摂りましょう、ということのようです。1700kcalの食事をとる人なら約30%です。
以前の記事にも書きましたが、日本の糖尿病学会が推奨するカーボ比は約60%です。1700kcalなら255g。アメリカのジョスリン糖尿病センターでは約40%が推奨されていますから、1700kcalなら170gです。
日本で糖質制限を提唱する江部医師は、ご自身のブログで1日約60gとおっしゃっていました。アメリカのバーンスタイン医師は1日約30gの生活をずっと続けています。
ちなみに、最近の私は1日150g~180gほどのカーボを摂っています。以前よりだいぶ増えましたね。この記事のいうところの、「適度なローカーボ」ってとこでしょうか?
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女性ホルモンと血糖値
アメリカのバーンスタインという医師が書いた『糖尿病の解決』という名著があるのですが、残念ながらすでに市場には流通してないようです。
最近知り合ったある1型患者の女性が、ぜひその本を読んでみたいというので、職場の近くでお会いしました。
喫茶店で1時間ほどお話したのですが、その女性の目下の最大の悩みは、毎月の生理的変化に、血糖値のコントロールが追い付かないというものでした。本人はひどく悩んでいるようのですが、私にはそんな知識すらありません。
アメリカに住む女性の2型糖尿病患者が書いた『糖尿病・最初の1年』という本が手元にあったので、もしや関連情報があるかと調べてみたら、ありました。
それによると、エストロゲン(卵胞ホルモン)は血糖値を下げ、プロゲステロン(黄体ホルモン)は血糖値を上げるようです。ということは、排卵前は血糖値が低めで、生理前は高くなるということなのでしょうか? また、生理自体もストレス要因としてインスリン抵抗性を引き起こすとありました。
また、『女性の糖尿病診療ガイダンス 』というたぶん医療者向けの本があるのですが、そこには「20~35歳までの1型糖尿病女性患者へのアンケートでは、月経前に血糖値が上昇する人は70%に及び、月経が始まってすぐ血糖値が低下する人は50%いた」とのことでした。
女性って大変なんですね。
こういうのって本やお医者さんの情報より、患者の体験談の方が参考になる場合が多いので、ネット上のブログや掲示板の生の声を拾ってみました。
「生理の5日前から血糖値が異常に高くなる」
「高温相になると血糖値がいかれる」
「ぜんぜん影響がない」
「生理前は300とか400はざら。ばんばん追加打ちしている」
「排卵日に急激に高くなり追加打ちしても下がらない。排卵日後、また急激に下がってその後生理が始まるあたりからまた少しだけ高くなる。この時は300超えくらい」
「ランタスも増やしてラピッドも倍増やしてるのに、思ったように下がらない。そのくせ、生理始まる直前に突然ゴンと下がるのでまたビビる」
「ログを1~2単位増やして打ちます」
「生理前だなとわかる時は朝5:00の血糖値の時なんです。朝から200近くなりますから」
「ドクターにベースをその期間だけ増やすように言われ、ランタスを+1したら上手くいった。ただし高いのは最初の二日だけなのでタイミングを間違えると大変なことになる」
「いつもは月経前にグングン上昇するのですが、今月は月経後に上昇するパターンのようです」
「1日14単位ですが、月経前だと5割増です」
インスリンもホルモンなら、エストロゲンもホルモン。人間ってホルモンの気まぐれと一生付き合っていかなくてはならないんですね。
A1c急上昇
去年の10月以来放ったらかしになっていた血液検査を、近所の掛かり付けの医院でやってきました。ヘモグロビンA1cが5.3%になってました。
私は5.3%でも問題はないと思ってるし、できればこのあたりの数値で手を打ちたいのですが、この3か月でなぜ0.3%上昇したかについては、どうしても興味がわいてしまいます。考えられる原因を検証してみます。
●季節による変動
よく言われるのは、A1cには季節変動があるということ。一般的には夏より冬の方が血糖値は上がりやすいようです。春から夏にかけては4.8%~5.0%を維持していたことを考えると、可能性はあります。
●測定器の誤差
4.8%~5.0%は個人の糖尿病専門医のところで測ったもので、その場で結果が判ります。一方、今回の5.3%は近くのかかりつけ医で測ったもので、判定はラボで行われます。私は以前から、専門医のA1cはちょと低すぎるかなという気はしていました。個人病院で判定するA1cには、限界があるってことなのかもしれません。
●測定方式の違い
現在、A1cにはいろんな測定法があって、たとえばアメリカ式と日本式では、アメリカ式の方が0.3%低く出るそうです。もしかしたら、専門医はアメリカ式で測定しているのかも知れません。ただし、そうだとしたら適正とされる範囲も0.3%ずれていないといけないはずですが、これはどちらも4.3%~5.8%で同じです。
●炭水化物の摂りすぎ
これは完全に思い当たる節があります。春から夏にかけてはかなりシビアな糖質制限をしてましたが、最近は完全にゆるゆるです。ただし、自己測定の血糖値に関しては、あの頃より改善しているはずなので、もし、A1cが血糖値の平均を正しく示すのであれば、むしろ下がっていないとおかしいということになります。
ちなみに、A1cが4.8%だった8月と5.3%だった1月のそれぞれ前の月(7月と12月)の、起床時と夕食1時間後の血糖値の1か月分を平均してみました。
起床時血糖値も食後血糖値も、12月の方がはるかに改善しています。なのに0.5%も高い理由は何でしょう。はやり、機械の誤差でしょうか? それとも、定点測定的な血糖値には表れない、A1cマジックがあるのでしょうか?
平均血糖値の推移
昨日、ヘモグロビンA1cとの関連で、2ヵ月分の起床時と夕食後1時間の血糖値の平均を出してみましたが、どうせなら全部やってみようと、休日の今日、ひたすら電卓を叩きました。
初めて簡易血糖値測定器を買ったのが去年の2月15日。その日以降測ったすべての起床時血糖値と、食後1時間の血糖値の平均を、月別に集計してみました。
今回、血糖値を見直して改めて分かったことは、炭水化物を控えた翌日から、起床時血糖値は110台に下がり、以降1年間、ずっと同じレベルだということです。
食後1時間の血糖値が150前後まで下がるのに3ヶ月かかりましたが、それ以降はずっと安定しています。
こうやって見ると、起床時血糖値110台、食後1時間の血糖値160以下というのが、ヘモグロビンA1c5%の目安になるのかもしれません。
体重とヘモグロビンA1c
前回の記事で私自身の血糖値とヘモグロビンA1cの関係をグラフにしてみて、ふと思いました。体重とヘモグロビンA1cの関係はどうだろうと。
うーん、2つの曲線は気持ち悪いくらいにぴったり重なり合っています。
ある研究調査によると、体重を5%減らすとヘモグロビンA1cは0.6%下がるそうです。私の場合、約10%減量しましたから単純に2倍とすれば、A1cは1.2%下がることになります。実際には4%以上下がったので、差額の分はローカーボ効果ということになるのでしょうか。
さらに5%ぐらい減量したらA1cはどうなるのか、探ってみたい衝動に駆られないわけでもないですが、これ以上痩せるのはもう御免です。
NHKのためしてガッテンから出ている『脱・糖尿病の裏ワザ』という本があるのですが、そこに面白いデータがありました。
それによると、日本人の糖尿病患者の平均BMIは23.1であり、日本人全体の平均である22.7とほとんど変わりないそうです。つまり、日本人の糖尿病患者は決して太ってはいないのです。
また、糖尿病患者を「改善組」と「悪化組」に分けたとき、その両者の間に摂取カロリーの差はまったくといっていいほどなかったそうです。つまりカロリー減だけでは、糖尿病は改善しないのです。
これまで、糖尿病治療といえば摂取カロリーを減らし、有酸素運動を取り入れてひらすら減量に励むというのが常識でしたが、それは肥満の多い欧米での研究をもとにした治療法で、日本人の糖尿病患者には元々あまり意味はないようなのです。
しかも、皮肉なことに、欧米ではもはや理想体重を基にしたカロリー制限という食事療法はほとんど行われていません。カーボカウントによって、直接、血糖値をコントロールしようという方法に変わってしまいました。実は、このカーボカウントこそ、肥満のない日本人向け食事療法なんですけどね。
短命の理由
ひょんなきっかけで『日本の長寿村・短命村』という本を読みました。
東北大学の名誉教授で医学博士の近藤正二氏が、戦前、戦中、戦後の36年にわたって、日本全国の町や村の長寿率(全人口に対する70歳以上の割合)と食生活の関係を調べ上げ、それを本にまとめたものです。
彼のすごいところは徹底した実証主義だということです。彼に机上の理論はまったくありません。80歳以上の老人がごろごろいる長寿村に行っては、食生活や生活習慣を徹底的に調べ上げ、70歳以上はほとんどいないような短命村に行っては、食べ物の嗜好やそういう嗜好に至った歴史的背景を探りします。
そんな彼が短命の一番の理由として挙げているのが、白米の大食いでした。野菜や大豆を食べず、米ばかりを大食いする人たちは、間違いなく短命だというのです。
本の中から一部を引用します。
若いころから、お米ばかりたくさん食べていた人は、みんな若死をしてしまうということです。例えば東北地方の米どころの生活ならば、みんなそれです。
なかでも、特に一番短命なのは秋田県ですが、ここの米どころの人は白いご飯を大食します。しかも塩辛い大根の味噌漬け、なすの味噌漬けなどをおかずにして、まっ白いご飯を驚くほど、たくさん食べます。
(中略)
幸か不幸か白米のご飯をたくさん食べるものだから、カロリーはとり過ぎるくらいとっている。遊んでいるときでも六合、七合という米を大食し、絶対必要とするたんぱく質も米からとっているのです。こういう食事を若い時からやってきた人は、みんな四十歳ごろから、脳溢血で倒れます。結局これが、そうした村の短命の原因です。
たとえば、沖縄県などでは概して長寿率が高いのですが、ときどきびっくりするくらい短命の村があったりします。不思議に思って訪ねてみると、沖縄では珍しく米作が盛んに行われている集落だったりするそうです。
また、同じコメどころでも新潟や富山では畑作も行われており、田んぼのあぜには大豆を植える習慣があるので、逆に長寿の村が多いそうです。
大飯喰らいに脳溢血が多いというのを今の医学で説明するなら、「精製された炭水化物の大量摂取→血糖値の急上昇→インスリンの過剰分泌→動脈硬化→脳溢血」ということになりそうです。
おそらく昔の人は運動量が豊富だったために、糖尿病にまでは至らなかったのではないかと思います。しかし、度重なるグルコーススパイクと高インスリン血症で血管は常に傷めつけられ、糖尿病を発症する前に脳溢血で倒れて行ったのでしょう。
糖質制限に反対する中には、「日本人は米を主食とした食習慣で長寿を保っているのだから、今さら欧米の真似をすることはない」という人もいますが、実は、米が日本人の寿命を縮めていたとは思いもしないのでしょうね。
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