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カーボカウントな日々

血糖値を上げるのは炭水化物(カーボ)です。炭水化物さえ摂らなければ血糖値はほとんど上がりません。 今、世界の糖尿病治療は、食事の炭水化物をコントロールするカーボカウンティングが主流となっています。

測って、測って、測りまくれ

2007 - 11/24 [Sat] - 02:06

ご無沙汰しております。

どうやらFC2は一ヶ月以上記事を更新しないと、頭に広告を載せるようにしたらしいです。そもれ癪なので、月イチ程度には近況を報告しようかと思っています。

ここのところ血糖値も安定してますし、新たな発見や試みもほとんどないので、ブログも放置状態でしたが、情報収集だけはそれなりにやっていました。患者の質問に医者が答えるような有料サイトもときどき覗いているのですが、医者なんてほんとうにいい加減ですね。あまりにお粗末な知識に、教育的指導を入れたい衝動と、毎日必死に戦っています。

こと糖尿病に関しては、下手な医者より一部の患者のほうがはるかに知識も見識も豊かです。これまでいろいろネット情報を当たってきて、本当に参考になったのは患者自身のサイトやブログです。まあ、最強なのは河合さんのとこですが。

患者学ということで言えば、アメリカは一枚も二枚も上を行っています。医者ではなく、患者がいくつもの素晴らしいサイトを公開しているのです。

アメリカに住むジェニファーという2型糖尿病患者が、自身のサイトでなかなかいいことを書いていたので、今回はそれを紹介したいと思います。

http://www.alt-support-diabetes.org/NewlyDiagnosed.htm

新しい患者たちへ

あなたは糖尿病のコントロールに向けて動き出したようですね。素晴らしい。

やることはたくさんありますが、急ぐことはありません。まずは、この戦いの最強の武器、血糖測定器を手にすることから始めてください。

この病気で今すぐどうこうなることはありません。実験の時間はあります。測って、学んで、また測って、この病気と折り合う方法を見つけるのです。糖尿病とあなた自身について知るために最も重要なことは、測って、測って、測りまくることです。

糖尿病患者の唯一最大の問題は「何を食べるか?」です。

残念ながら、その答えはかなり複雑です。どんな食事が最大の結果をもたらすかは、患者個人によって大きく異なるからです。高炭水化物食で血糖値のコントロールがうまくいく人もいるし、1日75~100gの炭水化物でも多すぎる人もいます。たいていの人はその中間ですが。

私たちも最初はがっかりしました。一生の健康を約束してくれる最善の食事を求め、やがてそんなものはないことに気づくからです。先人たちの経験を頼りに、一人一人が自分のやり方を探さなければならないのです。質問するのはかまいません。しかし、私たちはみな、自分たち自身で最善の方法を見つけてきたのです。私たちの経験はあなたの出発点でしかありません。最終的には、あなたが自分だけの成功プランを作り上げなければならないのです。

まず知らなければならないのは、食べ物の違いが血糖値にどう影響するかです。すでにご存知だとは思いますが、炭水化物が最も急激に血糖値を上げます。たんぱく質や脂質ではそれほど高くならず、上昇もゆっくりです。ですから、あなたが2型糖尿病患者であれば、残されたインスリン分泌で血糖値の上昇は抑えられるはずなのです。

それでは実験を始めましょう。

最初は今まで通りの食事をし、その内容を書き留めます。
そして、次のタイミングで血糖値を測定します。

起床時(空腹時)
毎食後1時間
毎食後2時間
就寝前

1日8回測定することになります。

これによって、食後何時間でピークが来るか、そしてどのくらいで正常に戻るかを調べます。さらに、パンや果物やその他の炭水化物を含む食事で、血糖値はより高くなることを確認します。

数日後、今度は炭水化物を制限します。パン、米、シリアル、豆、ポテト、コーン、果物などをすべて排除し、炭水化物は野菜からのみとします。そして、上記のスケジュールで血糖値を測ります。

これを数日続ければ、血糖値は見事に下がります。数日かけて、あなたは大きな発見をしたわけです。最終的には、炭水化物を少しずつ増やしていき、どのくらいになったら血糖値に影響が現われるかを見定めます。この病気に関しては、多くの患者に共通のことも多く、ある種のガイドラインに従う必要もあります。しかし、最終的には患者それそれが治療方針を決め、それぞれに成功を収めていくことになります。

健常者の数値に近づけば近づくほど、恐ろしい合併症の危険は遠ざかります。キーワードは「目標」です。人それぞれ病状は違いますし、病状はしだいに進行もします。しかし、ベストを目指してベストをつくせば、ベストの健康がついて来るのです。私たちにできるのはそれだけです。

ここに私が目指す「目標」があります。これは健常者の数値です。

空腹時血糖値 110以下
食後1時間値 140以下
食後2時間値 120以下


最近の研究で最も重要とされるのは、食後血糖値です。この数値が将来の合併症を防ぐ指標となります。とりわけ心臓病予防にとって重要です。

医者の言うことを聞くのは大切ですが、あなたの糖尿病治療チームのリーダーはあなた自身なのです。医者のアドバイスは薀蓄にとんでいますが、絶対ではありません。最終的にはあなた自身のほうが、医者以上にあなたの体や病気のことを知るようになります。血糖測定器はあなたの最大の武器なのです。

あなたは誰かとレースをしているわけではありません。敵はあなた自身です。いろんな食べ物を試し、測って、測って、測りぬきなさい。どんな食べ物が血糖値を上げ、どんな食べ物が空腹感をもたらすかを学びなさい。自分の体を使って、科学実験をするのです。

いろんな人がいろんなやり方で血糖値をコントロールしています。中には正反対のものもあります。しかし、すべての人にぴったり合う服はないのです。時間をかけて実験し、あなたに合ったやり方を探してください。

幸運を祈ってます!

ジェニファー



ポイントは大きく3つだと思います。

①血糖値の自己測定は大事だということ
②血糖値を上げるのは炭水化物であるということ
③血糖値はあくまでも健常者のそれを目標とすべきであるということ


血糖値の自己測定など必要ないといい、血糖値を上げるのはカロリーだと信じ込み、A1cは6%台でOKとする日本の医者にぜひとも読ませてやりたいです。

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アメリカ糖尿病協会の方針転換?

2007 - 11/25 [Sun] - 13:59

久しぶりに記事をエントリーしたら、読者の方から貴重な情報をいただきました。アメリカ糖尿病協会(ADA)では来年の指針で、なんとローカーボダイエットの有効性も認めるかもしれないということです。

ADAでは1994年、カーボカウンティングという新しい食事制限を採用しました。食品交換表に基づいた従来のカロリー制限ではなく、食べ物のカーボ(炭水化物)量に注目することによって、血糖値をコントロールしようというものです。食後の血糖値を上げるのは炭水化物であることは間違いない事実なので、カーボをカウントするというのは非常に理にかなってはいるのですが、ADAではカーボ比率を40%~60%に規定しており、必ずしもローカーボ食を推奨するもではありませんでした。

ところがここにきて、ADAもようやくローカーボ食の有効性も認めようという動きにあるようです。薬の服用を前提とするハイカーボ食より、薬を必要としないローカーボ食の方が、患者にとってメリットは大きいという判断のようです。

この動きを受けて、日本の糖尿病学界もローカーボに基づいた食事療法を取り入れてくれたら嬉しいんですが、まず無理でしょうね。カーボカウンティングさえダメだと言ってるんですから。

以下がサイトのURLと私の意訳です。(明らかな誤訳等があったらお知らせください)

http://www.diabetesincontrol.com/results.php?storyarticle=5299

ADAがカロリーのほとんどを炭水化物から摂取するようにという勧告を後退させるというのは本当だろうか? 炭水化物を制限せずにより多くの薬を服用することが、糖尿病患者にとって最善の治療ではなかったことを、彼らはついに認めるのだろうか?

「炭水化物、たんぱく質、脂質のベストな配分は個人個人の状況によって変わる」としているアメリカ糖尿病協会は、これまで、さまざまな理由から炭水化物の大幅な制限には否定的だった。そういった食事は継続困難であること、また、たんぱく質や脂質の増加は健康によくないというのがその理由だ。しかし、ローカーボダイエットが2型糖尿病患者にさまざまな恩恵をもたらすという新しいエビデンスは、益々増えている。たとえば、減量効果、血糖値の改善、中性脂肪の劇的な低下など、健康面での利点は多い。さらに、長期にわたる研究によっても、懸念されたような悪影響は認められていない。

ADAでは毎年1月、糖尿病治療における最新の科学的成果を反映させるため、食事と治療のガイドラインを発表している。2008年版の最終的な文言はまだ完全には決まってないが、ADAの2007年版栄養ガイド執筆陣の共同議長を務めたジュディス・ワイリーロゼット医師は次のように示唆している。「ローカーボダイエットを含むさまざまなダイエットが減量に効果があるという認識が高まっている。また、食後高血糖を改善するためには、炭水化物を控えることが重要であることも認識されている」。ワイリーロゼット医師は当然のことながら、2008年版の正確な最終的言い回しの推測は避けたものの、ローカーボダイエットが糖尿病患者に有効であるという指針は、より大きな形で反映されるだろうと考えている。

我々は「Diabetes Care」2008年1月号に載る、新しいガイドラインの最終バージョンを読むのを心待ちにしている。

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プロフィール

カステーラ

Author:カステーラ
東京都在住、61歳。
2007年2月、糖尿病発症。
現在、服薬なしでカーボカウンティングという食事療法を実践中。
「カーボカウントってなに?」という方は、まずこちらから。

ヘモグロビンA1c(体重・BMI)推移
2007年2月:9.3%(64kg・22.9)
2007年3月:7.5%(62kg・22.2)
2007年4月:6.0%(60kg・21.5)
2007年5月:5.3%(58kg・20.8)
2007年6月:4.8%(57kg・20.4)
2007年7月:5.1%(57kg・20.4)
2007年8月:4.8%(57kg・20.4)
2007年9月:5.0%(58kg・20.8)
2007年10月:5.0%(57kg・20.4)
2008年1月:5.3%(56kg・20.1)
2008年5月:5.2%(56kg・20.1)
2008年7月:5.3%(55kg・19.7)
2008年10月:5.2%(58kg・20.8)
2009年1月:5.2%(58kg・20.8)
2010年7月:5.4%(58kg・20.8)





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