ハイカーボという誤謬
河合勝幸氏の「糖尿病ソリューション」によると、18世紀の終わり頃、イギリス人の医師ジョン・ラロウによって、血液中のブドウ糖が増えることが糖尿病の原因であることが突き止められました。彼は食べ物の糖質こそが諸悪の根源とし、徹底したローカーボダイエットを推奨しました。
以降、多少のブレはあったものの、糖尿病の食事療法は炭水化物を徹底的に抑えるローカーボというのが医学会の常識だったのです。
1921年、インスリンの発見によって糖尿病は不治の病ではなくなりました。適切なインスリンさえ投与すれば、極端に炭水化物を制限する必要はなくなったとはいえ、それでも糖質20%ほどのローカーボ食が食事療法の基本とされてきたのです。
バーンスタイン医師によると、変化が訪れたのは1940年代でした。その頃、動物実験によってコレステロールと心臓病、血管病の関係が明らかになってきたのです。当時の医者たちは、糖尿病患者に血管障害が多いのは炭水化物を極端に減らした高脂肪食が原因だと決め付けたのです。
その結果、1950年代には炭水化物40%、脂肪40%の食事が指導されるようになりました。この頃登場した経口血糖降下剤も、食事のハイカーボ化を後押ししたのかもしれません。血糖値は食事ではなく薬で下げるという奢りの始まりです。
1970年代になるとアメリカでは肥満が大きな社会問題となりました。肥満が増えるのも、肥満によって糖尿病患者が増えるのも、すべて脂肪のせいだということで、1980年代にはとうとう炭水化物の割合は60%にまで上げられてしまいます。
しかし、その後あらゆる研究データをひっくり返しても、脂肪が悪者であるという根拠は見つけることが出来ませんでした。それどころか、炭水化物摂取による食後の高血糖こそが、血管障害の原因であることが明らかになってきたのです。
1994年、アメリカ糖尿病協会(ADA)は食事における炭水化物の割合を規定するのをやめ、新たにカーボ・カウンティングという食事療法を導入しました。約40年間続いたハイカーボ時代の終焉です。
それから13年経った2007年。日本では今なおカロリー比60%という高炭水化物食が指示され、多くの糖尿病患者が不要な薬漬けに遭っています。
緊急事態発生
昨日の夜、玄米100gを含むカーボ量50gほどの食事をしたら、久しぶりに血糖値が200を超えました。食後1時間→215、食後2時間→172でした。食後、ビリーを30分やったにもかかわらずです。
体調のせいなのかなとも思いながら、さほど気にも留めてなかったのですが、今日の夕食も、やはり玄米100gを含むカーボ量50gほどの食事で、再び200超えです。食後1時間→230、食後2時間→131でした。やはり同じくビリー30分込みの数値だっただけにショックを隠せません。
思い当たることと言えば、昨日から久しぶりに始めた玄米食(白米・玄米半々)。でも、玄米がそれほど極端に血糖値を上げるとは思えません。
週末、仕事でちょっとイヤなことがあったので、そのストレスを引きずってるのかなとも思いましたが、この程度のストレスはこれまでだっていくらでもあったはずです。
で、ふと思いついたのが一昨日あたりから出始めた咳。前の晩、今年初めて冷房をつけて寝たので、きっと風邪を引いたのでしょう。ずっといやな咳が続いているのです。
これが世に言うシックデイってヤツなんでしょうか? きっと、病気と闘うためのエネルギー補給として、肝臓が必死に糖を新生してくれてるんですね。膵臓の切ない事情なんてなにも判っていないマイペースな肝臓だけど、とりあえず「ありがとう」を言っておきました。
シックデイ続く
相変わらず咳は続いています。熱はありません。
今朝の起床時血糖値→134でした。炭水化物の制限を始めた2月中旬以来、こんなに高いのは初めてです。
昼食はマクドナルドの「サラダディッシュグリルチキン」。ドレッシングとあわせてカーボ量は13.2gしかないのに、食後1時間値→151でした。普段ならありえない数値です。
夕食はとんかつとサラダと玄米。推定カーボ量50g。30分のウォーキング込みで食後1時間→167、食後2時間→187でした。とんかつの油によるカーボ吸収遅延効果があるとはいえ、2時間で180超えはやっぱり普通じゃないです。
熱はないけど、体はだるいです。食欲もあまりないので体重もまた減ってしまいました。今朝計ったら56.2kg。この程度のことで、しっかり気分は病人です。
一日のカーボ量(その2)
この日の記事について、ご本人のすずらんさんからカーボ量の訂正がありました。私はHPの情報から1日125gと判断したのですが、間食などもあるので1日165gほどになるそうです。ご本人に確認も取らず間違った情報を流してしまい、もうしわけありませんでした。
また、YCATさんからは、「カーボ摂取量について、外部インスリンの有無についての言及が必要では」という意見もいただきまいた。確かにその通りで、インスリンを打つか打たないか、あるいは薬を飲むか飲まないかで摂取可能なカーボ量は決まってきます。
考え方はいろいろあると思うのです。たとえば、糖尿病患者の目標を食後血糖値200mg/dl未満、ヘモグロビンA1c6%未満としましょうか。
現在の私の場合、1日のカーボ量が100g以下なら、薬なしでほぼこの目標はクリアできます。結局、薬には頼りたくないというなら、自分の膵臓が分泌できるインスリンの量に合わせた食事をするしかないのです。
しかし、もっとご飯も食べたいし甘いものも食べたいということなら、アマリールなどのSU剤を使う選択肢もありでしょう。たぶん私の場合、薬で膵臓に鞭を入れてやれば、1日200gのカーボを摂っても目標はクリアできる気がします。
ただ、SU剤で膵臓に負担をかけ、ベータ細胞の死滅を早めるくらいなら、インスリン注射を打ったほうがいいのかな、というのが私の考えです。インスリンを打つ覚悟さえあれば、適正なカロリー内で、カーボを我慢する必要はありません。1日2000kcalの6割として、300gはカーボが摂れます。今の私には夢のような話ですが、いつかそんな日が来ることを、実は心待ちにしている部分もあるのです。
その頃までに吸入式のインスリンが出てるといいですね。インスリンをスーッとひと吸いして、ラーメン&チャーハンセットとか、さらにひと吸いして、ケーキバイキングとか。たぶん、肥満街道まっしぐらでしょうが。
ヘモグロビンA1cの目標値
月に1度の検診に行ってきました。空腹時血糖値は86mg/dl、ヘモグロビンA1cは5.1%でした。先月から体重維持のためにカーボ量を増やしたこと、また10日前からの風邪で高血糖が続いた事を考慮すれば、5.1%は想定の範囲内でした。
先生に「これからは5%台前半を目指してコントロールしていこうと思うのですが」というと、意外な答えが返ってきました。
「いやいや、長期的な合併症のリスクを考えれば、A1cは低ければ低いほどいいんです。5%台なんていわずに、ぜひ4%台を維持してください」
最初に診てもらったかかりつけの医者は「6%台の前半で大丈夫」という話だったので、それと比べたら大きな違いです。やはり専門医だけあって、合併症の恐さをよく知っているのでしょう。
一般的に糖尿病患者の場合、ヘモグロビンA1cの目標値は6.5%以下とされることが多く、5.8%以下なら正常と言われています。しかし、バーンスタイン医師によれば、本当に正常な人のA1cはきっちり4.2%~4.6%に収まっているそうで、5%台というのは本来、正常でもなんでもないんですよね。
A1cの問題点は、食後の短時間の高血糖が十分に反映されないことです。だから、たとえA1cの値が低くても、食後1~2時間は200を超えるような血糖値になっている可能性はあり、その場合、血管や組織は繰り返しダメージを受けていることになります。
昔は病院で時々測る随時血糖値が病状の判定材料でした。今はA1cという平均血糖値が便利に使われています。しかしこれからは、血糖自己測定による食後最高値の把握が重要になってくるものと思われます。
よく言われるのは食後のピークを200以下にということですが、それじゃまだまだ甘いです。私は160以下に収まるように心がけていますし、理想は140以下と思っています。だって普通の人はその値にきっちり収まってるわけですから。
カボチャが糖尿病患者を救う?
アメリカ糖尿病協会(ADA)のサイトで、面白い記事を見つけました。なんと、カボチャからの抽出物が糖尿病を改善するかもしれないというのです。
中国の研究グループの実験によると、普通のラットに比べてインスリンの血中濃度が41%低かった糖尿病のラットに、30日間、抽出物を投与したところ、インスリンの分泌が36%増加し、さらに30日間投与したところ、血糖値は通常のレベルに回復したということです。
また、すい臓に占めるベータ細胞の割合は、通常のラットの場合59%であるのに対して、糖尿病のラットは21%しかありませんでした。しかし、この抽出物を投与することによって51%にまで回復したというのです。
もしこれが事実であり、人間にも応用が効くとしたら画期的なことだと思います。なぜなら、従来の経口血糖降下剤は、ベータ細胞をすり減らしながらインスリンの分泌を増やしていたのですが、このカボチャの抽出物はベータ細胞の数自体を増やすというのですから。
そもそも、アジアではカボチャが糖尿病にいいという話は昔からあったようで、それか今回の研究のきっかけにもなったようです。だったら、明日から毎日カボチャを食べてみようかと思ってしまいます。
こちらで調べてみたところ、茹でただけのカボチャだと100gあたり13.3gのカーボ量。まあ、ご飯に比べたら3分の1なので、1日のカーボ量の中で、カボチャをふんだんに取ってみるというのも手かもしれません。ただし、その抽出物質が煮たり焼いたりしても効果がなくならないかどうかは定かではありません。
真夜中の決闘(血糖?)
夕方、スーパーへ行ったら特売のおはぎが大量に陳列されていました。昔は大好きだったこしあんのおはぎです。今は甘いものに対する欲求もあまりなくなりましたが、それでもこうして目の当たりにすると、なんとなく心惹かれるものがあります。
風邪も良くなって、ここのところ血糖値も安定してきたので、思い切って買ってしまいました。
夕食後、血糖値が116に下がったのを確認して、一気に2個いってみました。推定カーボ量60gです。血糖値が200を超えてもおかしくない無謀な対決です。
食後20分経ったところでビリーズ・ブート・キャンプの最終プログラムを30分やりました。で、1時間後の血糖値はなんと132! 食後の目標である140以下になんとか抑え込みました。おはぎ2個を相手に勝利した瞬間です。
念のために測った2時間値も122。安心して眠りにつくことができました。それにしても、ビリーのグルコース一掃効果は絶大です。
安くて効果のある薬
アメリカ糖尿病協会のサイトにあった情報です。アメリカ保健社会福祉省というところが、糖尿病薬の効果と安全性について調べました。
その結果、断トツの1位はメルビン、グリコラン、メデットなどのビグアナイト剤でした。年間約100ドル(1万円ちょっと)という低コストで、他の高価な糖尿病薬と変わらない効果が期待でき、体重増加や低血糖の副作用も少なく、LDL(悪玉コレステロール)も減少すると、いいことずくめです。
続いて評価の高かったのがSU剤のアマリールでした。私が最初に処方されたのも、この薬です。
そういえば、私の主治医も「糖尿病の薬物療法はビグアナイト剤とSU剤で完結する」と言ってました。それ以外は効果がいま一つだったり、副作用が心配なのでほとんど使わないそうです。
これまで、薬の値段などあまり考えたことがありませんでしたが、気になったので調べてみました。
まず、今回評価の高かったビグアナイド剤は特許切れで後発も多く1錠10円足らずです。US剤のアマリールは約25円、αグルコシターゼ阻害剤のグルコバイは約30円。最近、いろいろ危険性が言われるインスリン抵抗性改善薬のアクトスは約100円。うーん、製薬会社が力を入れるわけだ。
私の場合、薬代はまったくかかっていませんが、気になるのは血糖測定器のセンサー代です。ネットでまとめ買いしてますが、それでも1枚当たり110円。月に1万5000円~2万円かかります。そこまで費用を掛けても血糖値を測り続けるのは、それが血糖のコントロールに大きな効果があると考えるからです。
現在、日本の糖尿病患者は1000万人を超えると推測されています。もしその全員が血糖値測定器を使えば、機械もセンサーも大幅にコストダウンできるに違いありません。もしセンサーチップが10円、20円のレベルになってくれたらずいぶんありがたいのですが。
ということで糖尿病を抱える皆さん、もっと血糖値を測りましょう。必ず効果はありますから。
チーズケーキ恐い
以前、knackeさんのブログで指をくわえながら見たローカーボ・チーズケーキ。このレシピを見ながら自作してみました。もちろん、砂糖80gはラカントとエリスリムのデュエットで代役。カーボ多そうなクッキー生地も今回は退場を願いました。
カーボ量は全部あわせても十数グラム。一人分だと数グラムのカーボしかないので、理論的にはほとんど血糖値は上がらないはず。さっそく一ついってみました。
ところが、半分も食べないうちにギブアップです。甘すぎて喉を通りません。ラカントは砂糖と同量、エリスリムは砂糖の三分の一の原則を守って量の調整はしたので、甘さに間違いはないはずですが、どうやらこの半年で、すっかり甘いものを受け入れない体になってしまったようです。
そういえば、以前、ロッスのチョコレートで血糖値を調べたときも、1袋(34g)を完食するのに非常に苦労したことを思い出しました。半年前までは娘といつも甘いものの奪い合いをして、妻におとな気ないとなじられていたのに。
52歳にして、ようやく苦味のわかる大人になったのかも知れません。
チーズケーキのその後
前回の記事で「甘くて食べられない」と言った手作りのローカーボ・チーズケーキ。どうも食べたのが朝だったのがいけなかったようで、夕食後、デザートとして食べる分には最高でした。
一食分あたりのカーボ量はわずか数グラムですが、本当に血糖値は上がらないのかどうか、実測してみました。
【1回目】
食前の血糖値は測りませんでしたが、食後1時間の血糖値はなんと71。ほとんど低血糖といっていいレベルです。何かの間違いかも知れないと思って、ブログには載せませんでした。
もしかして、舌が甘さを感じた時点でベータ細胞のインスリン分泌スイッチがオンになったものの、カーボレスだったため血糖だけが下がったとか。でも、舌の感覚がインスリンの分泌を促すなんて話は聞いたことがありません。
【2回目】
食前の血糖値が118。夕食後2時間なのでまだ完全に下がりきっていませんでしたが、チーズケーキいっちゃいました。で、1時間後に測ったからなんと95。またもや20以上の降下です。
まあ、夕食後3時間が95だったと考えれば、解らないでもありません。とすればこのチーズケーキはコンニャクみたいな存在なのでしょうか?
【3回目】
同じく食後2時間、血糖値が102になったところで、チーズケーキです。1時間後の値は98でした。3度目の正直ってことで、このチーズケーキに血糖値を上げる作用はまったくないことが判りました。
1回目、2回目、3回目と少しずつ血糖値が上がったのは、体も学習して、フェイクな甘さにはだまされなくなったとか。
そういえば、人口甘味料を摂り続けたラットは、味覚によるカロリー計算能力が崩れて過食になるという実験もありました。
まあ、私はラットと違って知性も理性もあるので、そんなことくらいで過食になったりしませんが。(ほんとかな)
内臓脂肪レベル
毎朝起きると、まず血圧、血糖値、そして体組成を測ります。
血圧はたいてい上が110台、下が70台。血糖値は110前後で安定しています。体組成計はやたら細かいデータを提示してくれますが、チェックしてるのは体重、体脂肪率、内臓脂肪レベルです。
私の使ってるオムロンの体組成計の場合、内臓脂肪レベルの「1」はCTスキャンに映る内臓脂肪面積の10cm2に相当します。つまり内臓脂肪レベル「10」だと、内臓脂肪面積は100cm2ということです。この100cm2を超えると内臓脂肪肥満ということで要注意となります。
今年の3月、体組成計を買った時の内臓脂肪レベルは「8」でした。しばらくして「7」に下がり、「6」に下がり、数日前とうとう「5」になりました。
「9」以下であれば標準とされるので、もうそろそろこんなもんでいいかなとも思うんだけど、内蔵脂肪なんて少なければ少ないほど、インスリンの抵抗性も減るのかな?
糖尿病患者の寿命
ある調査によると、糖尿病患者の平均寿命は約67歳だそうです。また、ある別な調査によると、2型糖尿病の平均発症年齢は約53歳だそうです。このふたつの数字をむりやり重ね合わせると、53歳で糖尿病を発症した平均的な糖尿病患者は、その後14年しか生きられないことになります。53歳の人の平均余命は34年ですから、普通の人の半分以下ということになります。これが今の糖尿病治療の現実です。
アメリカ糖尿病協会(ADA)のサイトで興味深い記事を見つけました。私なんかの英語力と医学知識では難しくてよく理解できないところもあるのですが、要は脳に大量のインスリンが流れ込むと、脳のインスリン受容体基質(Irs2)の活動が活発になり、スーパーオキシド・ジスムターゼと呼ばれる抗酸化化合物が減少するということらしいです。もっと解りやすくいえば、「インスリンの分泌が少ない人ほど長生きできる」ということらしいです。
糖尿病患者の寿命を縮めているのは、心臓病や脳梗塞などの大血管障害ですが、もし、その原因が高い血糖値にあるのではなく、高い血中インスリン濃度にあるとしたら、インスリンやSU剤の投与はかえって血管を痛め、寿命を縮めるという皮肉な結果になってしまいます。
インスリンの分泌を少なくする一番の方法は、減量と運動によってインスリン感受性を高めることだそうです。あとはやっぱり、カーボカウンティングですね。炭水化物の摂取が少なければ、それだけインスリンの分泌は少なくて済みますから。
今日のニュースで、日本人の平均寿命は男性が79.00歳、女性が85.81歳と発表されました。せめて、平均ぐらいは生きたいものです。
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