かんたんカーボカウント
前から気になっていた本『かんたんカーボカウント』を買いました。こんな薄っぺらな本が2520円もすることに軽い驚きを禁じ得ませんが、まあ、そう需要のある本でもないので仕方ないのでしょう。
まず、この本が「血糖値を上げるのは炭水化物である」という原則のもとに書かれた本であるというのは、大いに評価していいと思います。でも、やはり日本糖尿病学会に遠慮したのでしょうか、基準となる食事が炭水化物のカロリー比60%という、相変わらずの高炭水化物食でした。
巻末に摂取カロリーに応じた献立例も出ているのですが、私にふさわしいとされる献立はこんな感じでした。
【朝食・カーボ量79.1g】
【昼食・カーボ量90・6g】
【間食・カーボ量33.2g】
【夕食・カーボ量80.8g】
【夜食・カーボ量25.2g】
なんと、1日の総カーボ量308.9g!! 今の私の3倍といっていい量です。まあ、食事をざっと見る限り、こんなものを食べてたら、1日中エンドレスで高血糖が続くのは間違いないです。これが、日本のお医者さんが指導する正しい糖尿病食なんですね。薬無しではともて血糖値なんてコントロールできないように仕組まれているのでしょうか?
基本的にこの本はインスリン注射が必要な糖尿病患者のものなのだと思いますか、グリセミック・インデックス(GI値)に関する考え方や、脂質、たんぱく質、アルコールの影響など、インスリン非依存型の2型糖尿病患者にも参考になるデータはたくさんあります。特に、いろんな種類の運動をカーボ量に換算したデータなどは、私もさっそく使えそうです。
できれば、2型患者のための「カーボカウントガイド」も早急に作ってほしいものですが、その前に、日本糖尿病学会がカーボカウントを公式な食事療法と認めることが先決かもしれません。
血糖測定マラソン敢行
朝起きてから夜寝るまで、血糖値を1時間ごとに測定してみました。前からやってみたかったんです。
【08:00】 111mg/dl(起床時)起床
【09:00】 108mg/dl(食前)
【10:00】 139mg/dl(食後1時間)朝食:食パン1枚(バターたっぷり)、野菜サラダ(ツナ・ハム・ゆで卵)
ヨーグルト(苺ジャム添え)、カフェオレ(パルスイート)
推定カーボ量55g
【11:00】 117mg/dl(食後2時間)ゴルフスイング(10分)
【12:00】 108mg/dl
【13:00】 102mg/dl
【14:00】 108mg/dl(食前)
昼食:ベーコンレタストマトバーガー、ガーデンサラダ、チキンナゲット
推定カーボ量 50g
【15:00】 134mg/dl(食後1時間)ビリーズブートキャンプ(15分)
【16:00】 106mg/dl(食後2時間)ビリーズブートキャンプ(15分)
【17:00】 105mg/dl
【18:00】 92mg/dl
【19:00】 92mg/dl(食前)
【20:00】 113mg/dl(食後1時間)夕食:ポークのオリーブ油焼き、ミネストローネスープ
推定カーボ量 15g
【21:00】 113mg/dl(食後2時間)ウォーキング(20分)
【22:00】 115mg/dl
【23:00】 96mg/dl
【24:00】 96mg/dl
就寝
休日であまり動かなかったせいか、空腹感がないまま無理やり次の食事を摂る感じでした。夕食前の92以外は、おおむね110前後で安定していることが分かります。起床時の血糖値もだいたいこのくらいのことが多いので、私の肝臓はこの辺りを目安に糖を新生しているのでしょう。
血糖値の推移をグラフにしてみました。

↓血糖値の証拠写真です。(クリックで拡大)

A1cついに4.8%へ
今日、月に1度の定期検診に行ってきました。ヘモグロビンA1cの値がついに4.8%になりました。空腹時血糖値も95mg/dlですから、もうこれで誰も血液検査の数値から、私が糖尿病であることを見破れません。
薬にまったく頼ることなく、ここまで糖尿病が改善できたのは、カーボカウンティングという炭水化物制限食のおかげです。もし私が食品交換表通りの高炭水化物食を続けていたら、今でもきっとアマリールを飲みながら、下がらない血糖値に悩まされていたでしょう。
日本のほとんどのお医者さんは、糖尿病患者に対しカロリー比60%もの高炭水化物食を指示します。あるお医者さんは炭水化物を控えると耐糖能が低下するといい、あるお医者さんは炭水化物を控えると太るといいます。また、あるお医者さんは炭水化物を控えるとイライラするといい、あるお医者さんは高炭水化物食は日本の伝統だから、それを変えることはできないといいます。
そういうお医者さんたちは、私の結果をどう説明するのでしょう。絶対いけないはずの低炭水化物食で糖尿病が改善したのは、私の特異体質によるとでもいうのでしょうか?
糖尿病になっていろんなことを勉強して、ひとつ分かったことがあります。それは、日本の医療というのは「今までのやり方を変える」ことに非常に時間がかかるということです。
記憶に鮮明なのは薬害エイズ事件です。アメリカではとうに禁止になっていた非加熱製剤を使い続けることで、日本の医療は多くの血友病患者の命を奪いました。日本ではアメリカに遅れること2年4か月で、ようやく加熱製剤が認可されたのです。
さらに、薬害ヤコブ病なんてのもありました。脳外科手術の硬膜移植によってヤコブ病を発症することを受けて、アメリカでは1987年に使用禁止になったヒト乾燥硬膜。日本ではその後10年間も使われ続け、やはり多くの命が失われていきました。
今、アメリカでもヨーロッパでも、糖尿病患者には当たり前のこととして炭水化物の制限が行われています。プドウ糖の代謝に異常をきたすのが糖尿病なのですから、その元となる炭水化物を制限するのは当たり前のことなのに、日本だけがなぜなぜ旧態依然の食事療法を取り続けるのでしょう? この事態を見るにつけ、私はどうしても過去の薬害エイズや薬害ヤコブ病を連想せずにはいられません。
食後の高血糖が悪いと分かっていながら高炭水化物食を指示するのは「静かな殺人」であると言ったお医者さんがいましたが、私もまったく同感です。正しいとされる医療は時代とともに変わります。昨日までのやり方を今日から変える勇気を、どうか日本のお医者さんも持って欲しいと思います。
薬なんていらない
インスリン抵抗性改善薬としてアメリカでポピュラーな「アバンディア」という薬が、心臓病死のリスクを64%も高めるとして問題になっている話は以前もしましたが(5月24日のブログ参照)、今日、アメリカ糖尿病協会(ADA)のサイトを見ていたら、アメリカの食品医薬局(FDA)は「アバンティア」と「アクトス」に対して、心疾患のリスクをもっと明確に表示するよう指導したとありました。やはりアクトスも心臓に対してはかなりヤバイようです。
そもそもインスリン抵抗性とは何でしょう? 私の理解では、内臓脂肪をたっぷり抱え込んだ体が、もうこれ以上の脂肪はいらないと、原料となるブドウ糖の取り込みを拒否する、いわば防御反応のはずです。体が要らないといっているブドウ糖を、なぜ薬を使ってまで取り込もうとするのでしょうか?
まあ、お医者さんとしては、脂肪細胞からから拒否されたブドウ糖は血管を痛めつけるからということでアクトスを処方するのでしょうが、であるならまずはブドウ糖の原料である炭水化物の摂取を制限することが最初じゃないですか?
人間の体というのはうまくできていて、インスリンの抵抗性が極限にまで達すると、ブドウ糖はオシッコと共に体外に捨てられ、たっぷり蓄えられた脂肪を燃やし始めます。これがいわゆる糖尿病による激痩せです。こうやって人間は薬なんか飲まなくても、体を正常に戻そうとする力があるのです。
しかし今の医療は、アマリールで弱った膵臓からインスリンを絞り出し、アクトスで要らないといってる脂肪細胞にむりやりブドウ糖を押し込めます。で、ますます内臓を脂肪を増やし、さらなる悪影響をもたらすのです。
もう一度言います。インスリン抵抗性が始まるということは、体がこれ以上のブドウ糖は要らないと言っているのです。その悲痛な叫びを無視して炭水化物を取り続けるから、やがてすい臓が壊れて、糖尿病になるのです。
解決策はアクトスでもアマリールでもありません。まずは、炭水化物を制限することです。誰が考えても理に適っていることだし、欧米では当たり前に行われていることです。
薬なんていらない(その2)
せっかくなので、さらに薬の話を続けます。
糖尿病の薬に「αグルコシダーゼ阻害薬」というのがあります。製品名ではグルコバイとかベイスンと呼ばれています。炭水化物の消化酵素に働きかけ、吸収を悪くすることで血糖値の上昇を抑えようという薬です。私はこれほど糖尿病患者をバカにした薬もないと思っています。
解りやすくいえば、10食べた炭水化物を8しか食べなかったことにしようという薬です。だったら最初から8だけ食べておけばいいじゃないですか。残りの2を脂質やたんぱく質で補っておけばいいじゃないですか。それじゃだめな理由でもあるのですか?
私の知り合いでもけっこうこの薬を処方されている人は多いですが、決して安全な薬ではないです。これまで副作用による劇症肝炎で5人の死亡が確認されています。ご飯の量をちょっと少なくすれば済む薬で、命を落としてしまってはたまりません。
実はこの薬、痩せる効果もあるということですが、これってまさに炭水化物制限の効果そのものですよね。
だらだら食い
カーボカウンティングという食事療法に出会ってから、1日に100g~150g程度のカーボ量に抑えてきたのですが、「ローカーボダイエットは効く」という定評どおり、体重はメキメキ落ちました。
64キロあった体重が58キロを切ったあたりから、もうこれ以上痩せたくないと、脂質やたんぱく質をたっぷり摂るように心がけてきたのですが、それでも体重は下げ止まる気配がありません。やっぱり、炭水化物を摂らないと太れないということがよく分かりました。
というわけで、今の課題は血糖値を上げずにいかに大量のカーボを取り込むかということです。
で、実験です。1時間毎に20gずつカーボを摂る「だらだら食い」で血糖値はどう推移するのかを調べてみました。
【11:00】 血糖値118mg/dl(食前)
中華粥(カーボ量20g)
【12:00】 血糖値120mg/dl
チーズバーガー(カーボ量20g)
【13:00】 血糖値135mg/dl
けんちんうどん(カーボ量20g)
【14:00】 血糖値115mg/dl
ケーキ菓子+牛乳(カーボ量20g)
【15:00】 血糖値120mg/dl
思ったとおりの結果が出ました。80gのカーボを1度に摂ったら血糖値は間違いなく200を超えますが、だらだら食いだと140を超えることはありません。この手は使えそうです。
とりあえず、食後3時間と寝る前はプチ・スイートタイムと決めました。
ロッス・チョコレート
糖尿病用を謳ったスイーツの中で、唯一イケると思ったのがロッスチョコレートです。大豆で作ったというクッキーやケーキも食べてみましたが、基本的に甘さが足りません。
糖質はわずか2gしか含まれないというこのチョコレート、一般のチョコレートに比べてもまったくひけをとらない甘さとコクがあるのです。食べた後、心にはびこる罪悪感はまさに本物です。
ということで、こんなにも甘いチョコレートが本当に血糖値をあげないか実験してみました。
ひと袋を一気食いして、食後1時間および2時間値が110台というのは、糖尿病用としては十分合格点です。ただ、糖質2gにしてはちょっと上がり過ぎかなという気がします。
日本語のシールに隠れた本来の成分表にはこうありました。 全炭水化物 19g
-食物繊維 3g
-マルチトール 14g
=有効炭水化物 2g
マルチトールはまったく吸収されないという前提のようですが、実際には多少は吸収されます。個人差もあるようですが、最大10g近くの糖質は影響するると考えたほうがいいかもしれません。それでも、この美味しさを考えれば十分合格ですけどね。
次はこれとかこれなんかを実験してみたいと思います。
糖尿後進国・日本
たまたまたどり着いた「糖尿病ネットワーク」の『私の糖尿病50年』というコーナーで、驚愕の事実を知ってしまいました。なんと日本では1981年までインスリンの自己注射は認められていなかったというのです。
以下、当該サイトからの引用です。
小児糖尿病はインスリン注射さえ十分に行えば元気に成長してゆける。現在のこの常識は40年前は通用しなかった。何よりも障壁となったのは、インスリンの自宅注射(自己注射)を医師会が認めなかったことである。
(中略)
このような状況だったのでいろんなことに恵まれた人でなければ治療を続けることは困難であった。悲しい報せを何度も聞いたがどうすることもできなかった。
欧米の本をみると、インスリンの自己注射は当たり前のことで、インスリン注射を続けながら成長してゆく楽しそうな写真が沢山載っていて、日本でもこのようにならないかなあ、と思うばかりであった。
ジョスリンの糖尿病手引きにある2歳11カ月の小児が
インスリン注射をしている写真
第7版,122頁,1941年
要するに当時の日本の医師会は「注射」という医者の特権を手放したくなかったのでしょう。「注射が必要な病気なら、1日2回でも3回でも病院に足を運んで医者に打ってもらえばいいじゃないか」というという発想です。患者の利益より、あくまで自分たちの利益優先なのです。
結局、世界で当たり前のこととして行われているカーボカウンティングが、日本で否定され続ける理由も、こんなところにあるような気がしてなりません。
食事の炭水化物を制限すれば血糖値は上がらないので、インスリンを含めた薬の消費は明らかに減ります。しかし、患者の負担軽減は医者や製薬会社の利益軽減でもあるのです。
薬害エイズ事件でも明らかになったように、危機感を持った製薬会社は、研究費という名目の多額の金品や、天下り先という甘い餌で、医学会の権威や厚生労働省の役人をいとも簡単に動かします。そう考えれば、理由にならない理由をつけてカーボカウンティングを否定する、糖尿病の偉い先生たちの言動も分からないではありません。
ただし、そんな医療行政の闇の部分とは別に、糖尿病の現場で働いてきた医師たちの苦難の足跡を知るという意味では、非常に興味深いサイトではありました。
雑炊超特急
以前、ある方から「雑炊を食べたら血糖値が高くてビックリ」というコメントをいただきました。ということで追試験です。
粉末の雑炊の素にご飯120gと卵を入れました。推定カーボ量45gです。
で、血糖値の推移がこちら。
そもそも食前の血糖値が131と高いです。朝起きてから1時間半ぐらい経ってました。この日は起床時の血糖値を測ってないのでわかりませんが、おそらく110~120ぐらいだと思います。
何にも食べてないのに、就寝前90台→起床時110台→起床後2時間130台というのは良くあることです。たぶん、インスリンの分泌が止まり、グルカゴンがじわじわと糖の新生を促しているのでしょう。
さて、食前に131だった血糖値は1時間後には157にまで上がりました。満を持していたインスリンが、炭水化物の到来とともに一気に出動したのでしょう。カーボ45gをこの程度で抑えたというのは、良く頑張ったと思います。
ところが2時間後には87まで下がってしまいました。急激に上がったグルコースに、インスリンの大量出動をかけたものの、意外と後が続かなかったという時のパターンです。以前、あんみつで実験したときの血糖値推移とよく似ています。
【栄太郎あんみつ・カーボ量75g】
今回の実験で判ったことは2つ。
まず、水分をたっぷり含んだゆるゆるのご飯は、二糖類並みに吸収が早いということ。お粥や重湯が消化にいいというのはこういうことだったんですね。
もう一つ、これはあくまで推測ですが、起床後の血糖上昇がじわじわ上昇する現象(暁現象の延長かも)を防ぐためには、目覚めたらすぐ少量のカーボを摂って、インスリンの分泌を促してやるのもいいかもしれないということです。
たとえば、朝起きたらベッドの中でクッキー1・2枚(カーボ量10~20g)摂ることで、起床後2時間の血糖値はむしろ下がるんじゃないかという気もしてきました。こんど実験してみます。
アトキンス・ダイエット圧勝
英語のサイトを渡り歩いていたら、興味深い記事に遭遇しました。アメリカのスタンフォード大学が、今話題の4つのダイエット効果を比較したというのです。
その4つとは、「アトキンス・ダイエット」、「ゾーン・ダイエット」、「ラーン・ダイエット」、「オーニッシュ・ダイエット」。要するに、摂取する炭水化物と脂肪の割合の違いが、どう影響するかという実験のようです。
以下は記事の要約です。
アメリカのスタンフォード大学が、311人の女性を対象にダイエット効果の比較を行ったところ、アトキンス・ダイエットが最も効果が高いことが判明した。アトキンス・ダイエットは他の3つに比べて、血圧、コレステロール、減量効果ともに最も優れていた。
アトキンス・ダイエットに関しては、健康被害を懸念する声も多いが、1年にわたる今回の調査では、目だった健康被害は認められなかった。アトキンス・ダイエットを行った何人かは、ある種のビタミンやミネラルが理想のレベルとはいえない状態であったものの、健康に問題はなかった。
今回、311人の女性たちは次の4つのダイエットにランダムに振り分けられた。
アトキンス・ダイエット : 超低炭水化物
ゾーン・ダイエット : 炭水化物40%、たんぱく質30%、脂質30%
ラーン・ダイエット : 高炭水化物、低脂肪
オーニッシュ・ダイエット : 超高炭水化物、超低脂肪
12ヵ月後の平均減量結果は次の通り。
アトキンス・ダイエット : 4.7kg減
ゾーン・ダイエット : 1.6kg減
ラーン・ダイエット : 2.6kg減
オーニッシュ・ダイエット : 2.2kg減
アトキンス・ダイエットを体験した女性たちは、悪玉コレステロールが最も低く、善玉コレステロールが最も高く、血圧も最も理想に近かった。
減量という意味では、アトキンス・ダイエットがダントツの効果をあげています。私もこれまでいろんな科学的なデータを見てきましたが、肥満、高脂血症を改善したいなら、炭水化物を減らすってことで間違いないと思います。
あ、もちろん、血糖値の改善も低炭水化物ですね。よく糖尿病でコレステロールも高い人が、徹底的に脂肪を控えたダイエットをしてたりしますが、見事に反対のことをしてるんですよね。まあ、お医者さんもそういう食事がいいと信じているんだから仕方ありません。
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実験結果の詳細はこちら
カーボ・カウンティングとは
最近、アクセスログをみると、「カーボカウント」「カーボカウンティング」で検索してくる人が非常に多くなってきました。
そこで、私が理解しているカーボ・カウンティングについて、まとめてみることにしました。ただし、これはインスリン注射に頼らない2型糖尿病患者のためのカーボ・カウンティングです。さらに、できれば薬も飲んでない人のためのと言った方がいいかもしれません。
まず、カーボ・カウンティングの大前提としてあるのが、食後の血糖値を上げるのは、主に食物の中の炭水化物であるということです。タンパク質や脂質は、食後2時間の血糖値にほとんど影響を与えません。
一般的に2型糖尿病患者の場合、炭水化物1gを摂取すると血糖値は最大3mg/dl上がると言われています(バーンスタイン著『糖尿病の解決』より)。たとえば、茶碗1杯のご飯(150g)には約60gの炭水化物が含まれていますから、これだけで食前100mg/dlだった血糖値は300mg/dl近くまでいってしまうこともありえます。
もちろん、どれだけの炭水化物が、どれだけ血糖値を上げるかは個人差がありますし、その日の体調や食べ合わせによっても変わってきます。しかし、炭水化物が血糖値を急激に上げるという事実は、全ての糖尿病患者に例外なく当てはまります。
従来、糖尿病患者の食事療法は総カロリーの制限だけが言われて来ました。しかし、同じ600kcalの食事でも、ステーキとサラダだけなら食後の血糖値はほとんど上がりませんが、ラーメンとライスだったりしたら、血糖値は急激に上昇します。
ですから、アメリカやヨーロッパなどでは、糖尿病患者の食事を総カロリーで管理するのではなく、炭水化物の量で管理しようという方向に変わりつつあります。そのほうが理にかなっていますし、何よりも炭水化物(カーボ)の量だけを考えればいいので、計算(カウント)も楽です。
では、具体的にどうすればいいのでしょう。
まず、どんな食物に炭水化物含まれているかを知る必要があります。もっとも代表的なのはご飯、パン、麺類などの主食と呼ばれるものです。たとえば、コンビニのおにぎり1個には炭水化物量が約40g含まれています。食パン1枚は約30g、ざるそば1枚は約60gです。
もちろん、ケーキやスナック類にも大量の炭水化物が含まれていますし、イモや豆類もけっこう炭水化物が豊富です。意外なのが牛乳やヨーグルトなどの乳製品。乳糖という炭水化物が含まれています。
野菜類にも炭水化物は含まれていますが、2型糖尿病患者のカーボ・カウンティングでは無視してもかまわないと思います。また、肉や魚にはほとんど炭水化物は含まれません。
食品に含まれる炭水化物の量を調べるには、女子栄養大学から出ている『カロリーガイドブック』が便利です。具体的な食べ物の写真に対しての炭水化物量が一目でわかるので、カーボカウンター必携の一冊だと思います。
さて、食事と炭水化物量の関係がわかったら、次はどのくらい摂るかですが、この目安を知るためにも、簡易血糖値測定器は絶対に必要です。
まず最初の1週間は、摂った炭水化物の量と食後2時間の血糖値を控えておきます。そうすれば、どのくらいの炭水化物が、どのくらい血糖値を上げるのかがだいたい把握できるはずです。目標は食後2時間値が200mg/dlを超えないことです。
ただし、200mg/dlを超えそうな時でも、食後にウォーキングなどの軽い運動をすると血糖値はだいぶ下がります。運動による筋肉のブドウ糖の取り込みにはインスリンを必要としないのです。
ちなみに私の場合、一回の食事の炭水化物量が40g以内なら、食後の血糖値が200mg/dlを超えることはまずありません。外食などで50g以上になってしまうこともありますが、そんなときは極力運動をするようにしています。
このように、炭水化物の制限と適度な運動を組み合わせることで、食後2時間の血糖値の8割を200mg/dl以下に抑えれば、ヘモグロビンA1cの値も5%台がキープできるそうです。(糖尿病専門医である私の主治医談)
炭水化物/血糖値レシオ
昨日の記事で、2型糖尿病患者は1gの炭水化物で血糖値が最大3mg/dl上昇すると書きました。私も糖尿病が発覚した当初はそんな感じでした。食パン1枚、ご飯100gで、間違いなく200mg/dlは超えていましたから。
しかし、今は膵臓の機能も回復したのか、あるいはインスリン抵抗性が改善したのか、炭水化物1gで1.5~2mg/dlの上昇に抑えられているようです。食パン1枚だとだいたい150mg/dl止まりです。
カーボカウンティングを始めた当初は、1回の食事でせいぜい20~30g、1日のトータルでも60~70gほどだった炭水化物も、今ではその倍くらいいってると思います。たぶん、次の検査ではヘモグロビンA1cも上がるでしょう。でも、いいんです。薬もインスリンもなしで4%台はストイック過ぎます。当面は5%台前半を目指します。
付録として、めぼしい食べ物の炭水化物量を載せてみました。こうやってみると、1回50g以内で食べれる食事って本当に少ないですね。主治医は一週間に1回や2回無茶しても全然大丈夫って言ってくれるけど…。
まあ、今年の土用の丑には、うな重ぐらいいってみようと思います。命を縮めての炭水化物110g一気食い。たぶん、糖尿発覚以来、はじめての試みです。
※データは『カロリーガイドブック』(女子栄養大学出版部)を参考にさせてもらいました。
たま(11/22)
カステーラ(05/30)
painn(05/30)
DRNO(11/28)
ひろ(11/13)
もとよし(09/28)
カステーラ(05/31)
カステーラ(05/31)
カステーラ(05/31)
ゆみ(05/31)