カーボカウントな日々

血糖値を上げるのは炭水化物(カーボ)です。炭水化物さえ摂らなければ血糖値はほとんど上がりません。 今、世界の糖尿病治療は、食事の炭水化物をコントロールするカーボカウンティングが主流となっています。

かんたんカーボカウント

2007 - 06/06 [Wed] - 00:41

前から気になっていた本『かんたんカーボカウント』を買いました。こんな薄っぺらな本が2520円もすることに軽い驚きを禁じ得ませんが、まあ、そう需要のある本でもないので仕方ないのでしょう。

まず、この本が「血糖値を上げるのは炭水化物である」という原則のもとに書かれた本であるというのは、大いに評価していいと思います。でも、やはり日本糖尿病学会に遠慮したのでしょうか、基準となる食事が炭水化物のカロリー比60%という、相変わらずの高炭水化物食でした。

巻末に摂取カロリーに応じた献立例も出ているのですが、私にふさわしいとされる献立はこんな感じでした。

【朝食・カーボ量79.1g】
朝食

【昼食・カーボ量90・6g】
昼食

【間食・カーボ量33.2g】
間食

【夕食・カーボ量80.8g】
夕食

【夜食・カーボ量25.2g】
夜食

なんと、1日の総カーボ量308.9g!! 今の私の3倍といっていい量です。まあ、食事をざっと見る限り、こんなものを食べてたら、1日中エンドレスで高血糖が続くのは間違いないです。これが、日本のお医者さんが指導する正しい糖尿病食なんですね。薬無しではともて血糖値なんてコントロールできないように仕組まれているのでしょうか?

基本的にこの本はインスリン注射が必要な糖尿病患者のものなのだと思いますか、グリセミック・インデックス(GI値)に関する考え方や、脂質、たんぱく質、アルコールの影響など、インスリン非依存型の2型糖尿病患者にも参考になるデータはたくさんあります。特に、いろんな種類の運動をカーボ量に換算したデータなどは、私もさっそく使えそうです。

できれば、2型患者のための「カーボカウントガイド」も早急に作ってほしいものですが、その前に、日本糖尿病学会がカーボカウントを公式な食事療法と認めることが先決かもしれません。

短命の理由

2008 - 01/29 [Tue] - 17:42

ひょんなきっかけで『日本の長寿村・短命村』という本を読みました。

東北大学の名誉教授で医学博士の近藤正二氏が、戦前、戦中、戦後の36年にわたって、日本全国の町や村の長寿率(全人口に対する70歳以上の割合)と食生活の関係を調べ上げ、それを本にまとめたものです。

彼のすごいところは徹底した実証主義だということです。彼に机上の理論はまったくありません。80歳以上の老人がごろごろいる長寿村に行っては、食生活や生活習慣を徹底的に調べ上げ、70歳以上はほとんどいないような短命村に行っては、食べ物の嗜好やそういう嗜好に至った歴史的背景を探りします。

そんな彼が短命の一番の理由として挙げているのが、白米の大食いでした。野菜や大豆を食べず、米ばかりを大食いする人たちは、間違いなく短命だというのです。

本の中から一部を引用します。

若いころから、お米ばかりたくさん食べていた人は、みんな若死をしてしまうということです。例えば東北地方の米どころの生活ならば、みんなそれです。
なかでも、特に一番短命なのは秋田県ですが、ここの米どころの人は白いご飯を大食します。しかも塩辛い大根の味噌漬け、なすの味噌漬けなどをおかずにして、まっ白いご飯を驚くほど、たくさん食べます。

(中略)

幸か不幸か白米のご飯をたくさん食べるものだから、カロリーはとり過ぎるくらいとっている。遊んでいるときでも六合、七合という米を大食し、絶対必要とするたんぱく質も米からとっているのです。こういう食事を若い時からやってきた人は、みんな四十歳ごろから、脳溢血で倒れます。結局これが、そうした村の短命の原因です。


たとえば、沖縄県などでは概して長寿率が高いのですが、ときどきびっくりするくらい短命の村があったりします。不思議に思って訪ねてみると、沖縄では珍しく米作が盛んに行われている集落だったりするそうです。

また、同じコメどころでも新潟や富山では畑作も行われており、田んぼのあぜには大豆を植える習慣があるので、逆に長寿の村が多いそうです。

大飯喰らいに脳溢血が多いというのを今の医学で説明するなら、「精製された炭水化物の大量摂取→血糖値の急上昇→インスリンの過剰分泌→動脈硬化→脳溢血」ということになりそうです。

おそらく昔の人は運動量が豊富だったために、糖尿病にまでは至らなかったのではないかと思います。しかし、度重なるグルコーススパイクと高インスリン血症で血管は常に傷めつけられ、糖尿病を発症する前に脳溢血で倒れて行ったのでしょう。

糖質制限に反対する中には、「日本人は米を主食とした食習慣で長寿を保っているのだから、今さら欧米の真似をすることはない」という人もいますが、実は、米が日本人の寿命を縮めていたとは思いもしないのでしょうね。

ためしてガッテンの嘘

2009 - 01/23 [Fri] - 16:45

NHKの情報番組『ためしてガッテン』を見ました。今回のテーマは「低カロリーダイエット・失敗と成功の分岐点」。同じカロリー摂取でも、痩せやすい食事と痩せにくい食事があるのだとか。

番組の論点はこうです。

・同じカロリーでも糖質(炭水化物)が少ないと痩せにくい。
・糖質の理想的なバランスは60%。
・糖質が不足すると脳が低血糖になり飢餓と判断する。
・「飢餓に備えろ」スイッチが入ると代謝が落ち痩せにくくなる。


番組はいきなり実験から始まります。

女子大生を2つのグループに分け、同じカロリーの食事をしてもらいます。カロリーは同じでもBグループの糖質量はAグループの2倍だそうです。

食事のあと、それぞれのグループに箸で豆を並べるという集中力が必要な作業をしてもらいます。糖質量の多かったBグループの方が作業効率が良かったという結果になり、番組は「食事の糖質量はいかに重要か」という結論に力づくで持っていきました。

それぞれのグループの食後血糖値も測っていましたが、たしかに糖質量の多いグループの血糖値は140mg/dlほど、糖質量の少ないグループの血糖値は120mg/dlほどでした。しかし、これをもって糖質を取らないと頭が働かないというのはあまりにも短絡的です。人間の脳というのは85mg/dlぐらいの血糖値で十分本来の働きをするようにできているのです。

この二つのグループの作業効率の違いを説明するとすれば、高脂肪・高タンパク食は消化に時間がかかるため血液の多くが内臓に集まり、脳の働きが鈍ったというだけのことだと思います。

番組ではたっぷり糖質を取ることが痩せやすいダイエットのコツだと何度も強調しながら、実際に痩せにくい女子大生の食事を見ると、菓子パンだけとかおにぎりだけというような、極端に糖質の多い食事になっていることを指摘しています。糖質の多い食事はすぐに血糖値が上がるものの、下がるのも速いため、脳がエネルギー不足を感じて節約モードになるというのがその説明でしたが、糖質を抑えてはダメという最初の結論とはまったく逆になっています。

番組はさらに、「飢餓に備えろ」のスイッチをオンにしないための食事法を紹介します。ある栄養クリニックの指導によるもので、すでに何百人もの人がこのやり方で無理なく痩せてきたというものです。

・糖質はご飯を子供茶碗に一杯か、8枚切りパン1枚、あるいは茹で麺半玉から一つを選ぶ。
・果物か芋類の半分量から一つ選ぶ。
・タンパク質は牛乳(120ml)、卵(1個)、肉(50g)、豆腐(1/4丁)などの中から二つ選ぶ。
・油は大匙半分。
・野菜とキノコは好きなだけ。

というように糖質、脂質、タンパク質の中から決められた点数を選ぶという、食品交換表をさらにシンプルにしたようなもの。そのやり方に従って、ご飯100g、オレンジ半分、卵1個、赤身肉50g、油大さじ半分という食事の栄養バランスを調べてみました。

糖質47g40%
脂質24g45%
タンパク質18g15%
総カロリー476kcal100%

糖質たっぷりどころか、立派な低糖質食になっているではありませんか。

また番組では太りにくい食べ方のコツとして、汁物やおかずである程度お腹を満たしてから、炭水化物を食べることを勧めていました。そうすると、糖質の吸収がゆるやかになり、満腹感が持続するとのことですが、これなどはまさに、低インスリンダイエット、ローカーボダイエットの発想そのものです。

カロリーを制限しながら体脂肪の減らなかった女子大生の糖質比が約6割だったといい、無理なく減量できるとお勧めの食事の糖質比が約4割しかないのに、なぜ理想の糖質比が6割ということになってしまうのでしょう。

あの番組によって、間違った糖質礼讃主義が蔓延らないことを祈るばかりです。

糖尿本ランキング

2009 - 02/26 [Thu] - 17:25

サイドメニューにある「おすすめ書籍」のコーナーを、久しぶりに更新しました。

糖尿関連の本は今でも結構読んでるんですが、新しく読んだ中である程度おすすめできるかなという3冊を追加しました。

その中で一番のお勧めは、このブログにコメントを頂いたこともある杉本先生編の「カーボカウンティング実践ガイド」です。これまで、日本で出版されたカーボカウント関連の本は「かんたんカーボカウント」というのがありましたが、やはり糖尿病学会に遠慮してか、カロリーに占める炭水化物のカロリー比はあくまで60%が原則でした。そういう意味では、日本で初めてカーボ比60%の呪縛を解かれたカーボカウント本と言っていいと思います。

今回、本を紹介する上でアマゾンのアフィリエイトからリンクを作成したのですが、その時、面白いものを見つけました。アマゾンでのランキングです。面白いので、糖尿病関連の本の中からベストテンを選んでみました。(糖尿病食のレシピや民間療法的なものは除きました)


 主食を抜けば糖尿病は良くなる! ⇒7,045位


 糖尿病は薬なしで治せる ⇒13,118位


 糖尿病専門医にまかせない ⇒13,259位/47,611位
 

 主食を抜けば糖尿病は良くなる! 実践編 ⇒13,908位


 糖尿病は治せる 低糖質食の威力 ⇒33,037位


 わたしはこうして糖尿病患者を救っている ⇒33,283位


 カーボカウンティング実践ガイド ⇒42,442位


 薬もインスリンもやめられた! 新しい糖尿病治療 ⇒43,186位


 糖尿病は「腹やせ」で治せ ⇒54,912位


 糖尿病の新常識 糖質ゼロの食事術 ⇒58,587位


ベスト10のうち8冊までが、“炭水化物を意識した食事の勧め”に基づくものです。インターネットのマーケット動向は、一般のそれに先行しているとすれば、“カロリーからカーボへ”という流れは、確実に進んでいると言っていいのでしょう。10冊中、糖尿病専門医の執筆が2冊しかない点も、これ流れが従来の常識を覆す、パラダイムシフトであることを物語っています。


以下、20位までの書籍もリストアップしておきます。お勧めは⑬位の「糖尿病患者のためのカーボカウント完全ガイド」と、⑳位の「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」です。どちらもちょっと高いですが。

かんたんカーボカウント ⇒66,818位
「脱・糖尿病」の裏ワザ ⇒78,916位
糖尿病患者のためのカーボカウント完全ガイド ⇒81,282位
糖尿病とたたかう ⇒85,924位
糖尿病に薬はいらない!  ⇒105,529位
SMBGのすべて ⇒107,751位
血糖値がみるみる下がる100のコツ ⇒123,745位
糖尿病―自分のために、できること ⇒156,888位
最新 血糖値を下げる知恵とコツ ⇒212,228位
バーンスタイン医師の糖尿病の解決 ⇒254,781位


実は、糖尿病関連の本の中で、こに挙げたどれよりも売れている本があります。

 食品交換表 ⇒1,624位


同じ日本糖尿病学会から、1日も早く「カーボカウント法」という本が出て、「食品交換表」より上位にランクされることを願っています。

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プロフィール

カステーラ

Author:カステーラ
東京都在住、61歳。
2007年2月、糖尿病発症。
現在、服薬なしでカーボカウンティングという食事療法を実践中。
「カーボカウントってなに?」という方は、まずこちらから。

ヘモグロビンA1c(体重・BMI)推移
2007年2月:9.3%(64kg・22.9)
2007年3月:7.5%(62kg・22.2)
2007年4月:6.0%(60kg・21.5)
2007年5月:5.3%(58kg・20.8)
2007年6月:4.8%(57kg・20.4)
2007年7月:5.1%(57kg・20.4)
2007年8月:4.8%(57kg・20.4)
2007年9月:5.0%(58kg・20.8)
2007年10月:5.0%(57kg・20.4)
2008年1月:5.3%(56kg・20.1)
2008年5月:5.2%(56kg・20.1)
2008年7月:5.3%(55kg・19.7)
2008年10月:5.2%(58kg・20.8)
2009年1月:5.2%(58kg・20.8)
2010年7月:5.4%(58kg・20.8)





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おすすめ書籍

●カーボカウンティング実践ガイド
日本人の医師と栄養士と患者が書いた、“初の”と言っていい真のカーボカウンティングガイド。どちらかというとプロ、マニア向け。


●低糖質食の威力
やはり糖尿病を発症したお医者さんの書いた本。なぜ糖尿病になった医師はみな、学会のガイドラインを無視してローカーボに走るのでしょうか?


●糖質ゼロの食事術
炭水化物(糖質)はほとんど摂らないというお医者さんの本。この程度の糖質量でも立派に生きていけるという意味では貴重な実録(?)。


●糖尿病専門医にまかせなさい
日本では数少ない、カーボカウントを推奨する糖尿病専門医の本。我々カーボカウンターの心の支えとなる一冊です。


●主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編
やはり2型糖尿病患者であるお医者さんの書いた本。炭水化物が血糖値に及ぼす影響を理論的にわかりやすく解説してくれています。


●毎日の食事のカロリーガイドブック
日常よく口にする食べ物のカロリーはもちろん、炭水化物量までが写真と共に明記された、カーボカウンター必携の一冊。


●カーボカウント完全ガイド
カーボカウンティングの本場、アメリカの糖尿病協会から出版されたガイドブック。カーボカウントのすべてがこれ一冊で分かります。


●わたしはこうして糖尿病患者を救っている
糖尿病で失明する患者を数多く診てきた眼科医が書いた本。高炭水化物食を平気で勧める日本の糖尿病医療を厳しく批判しています。


●糖尿病最初の1年
アメリカの2型糖尿病患者が書いた本。糖尿病の主治医は自分であるという発想がいかにもアメリカ的。カーボカウントと血糖自己測定を基本とした最強の患者学が語られています。