私のカーボカウント法
カーボカウントっていうのは本来インスリンの分泌がまったくない、1型糖尿病患者のものだったのかもしれません。つまり、これから食べる食事の炭水化物(カーボ)の量を計算(カウント)して、それに見合うインスリンを注射するというものです。低血糖や高血糖を防ぐという意味では、非常に理にかなった考え方です。
一方、ある程度インスリンの分泌が残っている2型患者にとっては、カーボカウントも多少意味合いが違ってきます。それは、自分が分泌できるインスリンの量に見合った炭水化物量を計算して食べるというものだからです。
つまり、カーボに合わせてインスリンを調節するのが1型、インスリンに合わせてカーボを調節するのが2型です。
2型である私の場合、1回の食事の炭水化物量が40g以内なら食後の血糖値はまず200を超える事はありません。おおむね150前後で抑えられるはずです。しかし、炭水化物量が70gを超えると、食後の血糖値もほぼ間違いなく200を超えます。
ですから、40g×3=120gで、一日の炭水化物摂取量が120g以下なら、まず血管が傷つく心配はないということになります。まあ、実際はこれより余計に食べてますけどね。なぜなら、運動によっても血糖値は下がるからです。
それについてはまた次回。
1日の炭水化物(カーボ)量
アクセス解析の検索ワードを見ていたら「アメリカ 糖尿病 炭水化物 1日」というのがありました。きっと、「アメリカでは糖尿病患者に1日何グラムの炭水化物が指示されるのか」を知りたかたのでしょう。
私も興味があったので、アメリカ糖尿病協会(ADA)のサイトを見てみましたが、それらしい記事は見当たりませんでした。もしかしたら、協会としては炭水化物の量に関する一般的なガイドラインは設けていないのかもしれません。
その代りと言っては何ですが、アメリカの公認糖尿病指導士であり栄養士の方のブログを見つけました。それによると、女性の糖尿病患者の場合、減量したいなら1回の食事で35~40g、体重を維持したいなら40~60g。男性の場合は減量したいなら45~60g、体重を維持したいなら60~75gを患者に勧めているとのことでした。
ということは平均的なアメリカの糖尿病患者は、女性で1日120g、男性で1日180gというところでしょうか。まあ、日本人の体格を考えれば、これの2割減くらいでもいいのかもしれません。
アメリカのジョスリンクリニックで糖尿病の治療を受けているsuzuranさんという日本人女性がいらっしゃるのですが、彼女は朝食は35g、昼食と夕食は45g、さらに間食の分を含めると1日165gの炭水化物を摂っているそうです。(ご本人の申告により訂正させていただきました)
また、ご自身が2型糖尿病をお持ちの江部先生はここ数年、主食をまったく摂らないスーパー糖質制限食を実践しており、炭水化物量は1日60gだそうです。
12歳で1型糖尿病を発症し、現在73歳になるアメリカのバーンスタイン医師はさらに徹底しており、1日30gという食事をもう数十年続けています。
私の場合は、朝は食パン1枚、昼は白米100g、夜は主食を摂ったり摂らなかったりという食事です。おかずや間食まですべて含めると、1日100~150gといった感じでしょうか。
カーボ・カウンティングとは
最近、アクセスログをみると、「カーボカウント」「カーボカウンティング」で検索してくる人が非常に多くなってきました。
そこで、私が理解しているカーボ・カウンティングについて、まとめてみることにしました。ただし、これはインスリン注射に頼らない2型糖尿病患者のためのカーボ・カウンティングです。さらに、できれば薬も飲んでない人のためのと言った方がいいかもしれません。
まず、カーボ・カウンティングの大前提としてあるのが、食後の血糖値を上げるのは、主に食物の中の炭水化物であるということです。タンパク質や脂質は、食後2時間の血糖値にほとんど影響を与えません。
一般的に2型糖尿病患者の場合、炭水化物1gを摂取すると血糖値は最大3mg/dl上がると言われています(バーンスタイン著『糖尿病の解決』より)。たとえば、茶碗1杯のご飯(150g)には約60gの炭水化物が含まれていますから、これだけで食前100mg/dlだった血糖値は300mg/dl近くまでいってしまうこともありえます。
もちろん、どれだけの炭水化物が、どれだけ血糖値を上げるかは個人差がありますし、その日の体調や食べ合わせによっても変わってきます。しかし、炭水化物が血糖値を急激に上げるという事実は、全ての糖尿病患者に例外なく当てはまります。
従来、糖尿病患者の食事療法は総カロリーの制限だけが言われて来ました。しかし、同じ600kcalの食事でも、ステーキとサラダだけなら食後の血糖値はほとんど上がりませんが、ラーメンとライスだったりしたら、血糖値は急激に上昇します。
ですから、アメリカやヨーロッパなどでは、糖尿病患者の食事を総カロリーで管理するのではなく、炭水化物の量で管理しようという方向に変わりつつあります。そのほうが理にかなっていますし、何よりも炭水化物(カーボ)の量だけを考えればいいので、計算(カウント)も楽です。
では、具体的にどうすればいいのでしょう。
まず、どんな食物に炭水化物含まれているかを知る必要があります。もっとも代表的なのはご飯、パン、麺類などの主食と呼ばれるものです。たとえば、コンビニのおにぎり1個には炭水化物量が約40g含まれています。食パン1枚は約30g、ざるそば1枚は約60gです。
もちろん、ケーキやスナック類にも大量の炭水化物が含まれていますし、イモや豆類もけっこう炭水化物が豊富です。意外なのが牛乳やヨーグルトなどの乳製品。乳糖という炭水化物が含まれています。
野菜類にも炭水化物は含まれていますが、2型糖尿病患者のカーボ・カウンティングでは無視してもかまわないと思います。また、肉や魚にはほとんど炭水化物は含まれません。
食品に含まれる炭水化物の量を調べるには、女子栄養大学から出ている『カロリーガイドブック』が便利です。具体的な食べ物の写真に対しての炭水化物量が一目でわかるので、カーボカウンター必携の一冊だと思います。
さて、食事と炭水化物量の関係がわかったら、次はどのくらい摂るかですが、この目安を知るためにも、簡易血糖値測定器は絶対に必要です。
まず最初の1週間は、摂った炭水化物の量と食後2時間の血糖値を控えておきます。そうすれば、どのくらいの炭水化物が、どのくらい血糖値を上げるのかがだいたい把握できるはずです。目標は食後2時間値が200mg/dlを超えないことです。
ただし、200mg/dlを超えそうな時でも、食後にウォーキングなどの軽い運動をすると血糖値はだいぶ下がります。運動による筋肉のブドウ糖の取り込みにはインスリンを必要としないのです。
ちなみに私の場合、一回の食事の炭水化物量が40g以内なら、食後の血糖値が200mg/dlを超えることはまずありません。外食などで50g以上になってしまうこともありますが、そんなときは極力運動をするようにしています。
このように、炭水化物の制限と適度な運動を組み合わせることで、食後2時間の血糖値の8割を200mg/dl以下に抑えれば、ヘモグロビンA1cの値も5%台がキープできるそうです。(糖尿病専門医である私の主治医談)
炭水化物/血糖値レシオ
昨日の記事で、2型糖尿病患者は1gの炭水化物で血糖値が最大3mg/dl上昇すると書きました。私も糖尿病が発覚した当初はそんな感じでした。食パン1枚、ご飯100gで、間違いなく200mg/dlは超えていましたから。
しかし、今は膵臓の機能も回復したのか、あるいはインスリン抵抗性が改善したのか、炭水化物1gで1.5~2mg/dlの上昇に抑えられているようです。食パン1枚だとだいたい150mg/dl止まりです。
カーボカウンティングを始めた当初は、1回の食事でせいぜい20~30g、1日のトータルでも60~70gほどだった炭水化物も、今ではその倍くらいいってると思います。たぶん、次の検査ではヘモグロビンA1cも上がるでしょう。でも、いいんです。薬もインスリンもなしで4%台はストイック過ぎます。当面は5%台前半を目指します。
付録として、めぼしい食べ物の炭水化物量を載せてみました。こうやってみると、1回50g以内で食べれる食事って本当に少ないですね。主治医は一週間に1回や2回無茶しても全然大丈夫って言ってくれるけど…。
まあ、今年の土用の丑には、うな重ぐらいいってみようと思います。命を縮めての炭水化物110g一気食い。たぶん、糖尿発覚以来、はじめての試みです。
※データは『カロリーガイドブック』(女子栄養大学出版部)を参考にさせてもらいました。
ハイカーボという誤謬
河合勝幸氏の「糖尿病ソリューション」によると、18世紀の終わり頃、イギリス人の医師ジョン・ラロウによって、血液中のブドウ糖が増えることが糖尿病の原因であることが突き止められました。彼は食べ物の糖質こそが諸悪の根源とし、徹底したローカーボダイエットを推奨しました。
以降、多少のブレはあったものの、糖尿病の食事療法は炭水化物を徹底的に抑えるローカーボというのが医学会の常識だったのです。
1921年、インスリンの発見によって糖尿病は不治の病ではなくなりました。適切なインスリンさえ投与すれば、極端に炭水化物を制限する必要はなくなったとはいえ、それでも糖質20%ほどのローカーボ食が食事療法の基本とされてきたのです。
バーンスタイン医師によると、変化が訪れたのは1940年代でした。その頃、動物実験によってコレステロールと心臓病、血管病の関係が明らかになってきたのです。当時の医者たちは、糖尿病患者に血管障害が多いのは炭水化物を極端に減らした高脂肪食が原因だと決め付けたのです。
その結果、1950年代には炭水化物40%、脂肪40%の食事が指導されるようになりました。この頃登場した経口血糖降下剤も、食事のハイカーボ化を後押ししたのかもしれません。血糖値は食事ではなく薬で下げるという奢りの始まりです。
1970年代になるとアメリカでは肥満が大きな社会問題となりました。肥満が増えるのも、肥満によって糖尿病患者が増えるのも、すべて脂肪のせいだということで、1980年代にはとうとう炭水化物の割合は60%にまで上げられてしまいます。
しかし、その後あらゆる研究データをひっくり返しても、脂肪が悪者であるという根拠は見つけることが出来ませんでした。それどころか、炭水化物摂取による食後の高血糖こそが、血管障害の原因であることが明らかになってきたのです。
1994年、アメリカ糖尿病協会(ADA)は食事における炭水化物の割合を規定するのをやめ、新たにカーボ・カウンティングという食事療法を導入しました。約40年間続いたハイカーボ時代の終焉です。
それから13年経った2007年。日本では今なおカロリー比60%という高炭水化物食が指示され、多くの糖尿病患者が不要な薬漬けに遭っています。
一日のカーボ量(その2)
この日の記事について、ご本人のすずらんさんからカーボ量の訂正がありました。私はHPの情報から1日125gと判断したのですが、間食などもあるので1日165gほどになるそうです。ご本人に確認も取らず間違った情報を流してしまい、もうしわけありませんでした。
また、YCATさんからは、「カーボ摂取量について、外部インスリンの有無についての言及が必要では」という意見もいただきまいた。確かにその通りで、インスリンを打つか打たないか、あるいは薬を飲むか飲まないかで摂取可能なカーボ量は決まってきます。
考え方はいろいろあると思うのです。たとえば、糖尿病患者の目標を食後血糖値200mg/dl未満、ヘモグロビンA1c6%未満としましょうか。
現在の私の場合、1日のカーボ量が100g以下なら、薬なしでほぼこの目標はクリアできます。結局、薬には頼りたくないというなら、自分の膵臓が分泌できるインスリンの量に合わせた食事をするしかないのです。
しかし、もっとご飯も食べたいし甘いものも食べたいということなら、アマリールなどのSU剤を使う選択肢もありでしょう。たぶん私の場合、薬で膵臓に鞭を入れてやれば、1日200gのカーボを摂っても目標はクリアできる気がします。
ただ、SU剤で膵臓に負担をかけ、ベータ細胞の死滅を早めるくらいなら、インスリン注射を打ったほうがいいのかな、というのが私の考えです。インスリンを打つ覚悟さえあれば、適正なカロリー内で、カーボを我慢する必要はありません。1日2000kcalの6割として、300gはカーボが摂れます。今の私には夢のような話ですが、いつかそんな日が来ることを、実は心待ちにしている部分もあるのです。
その頃までに吸入式のインスリンが出てるといいですね。インスリンをスーッとひと吸いして、ラーメン&チャーハンセットとか、さらにひと吸いして、ケーキバイキングとか。たぶん、肥満街道まっしぐらでしょうが。
カーボカウントとは
カーボカウントの大前提としてあるのが、食後の血糖値を上げるのは、主に食物の中の炭水化物であるという事実です。タンパク質や脂質は、食後2時間の血糖値にほとんど影響を与えません。
一般的に2型糖尿病患者の場合、炭水化物1gを摂取すると血糖値は最大3mg/dl上がると言われています(バーンスタイン著『糖尿病の解決』より)。たとえば、茶碗1杯のご飯(150g)には約60gの炭水化物が含まれていますから、これだけで食前100mg/dlだった血糖値は280mg/dl近くまでいってしまうことになります。
もちろん、どれだけの炭水化物が、どれだけ血糖値を上げるかは個人差がありますし、その日の体調や食べ合わせによっても変わってきます。しかし、炭水化物が血糖値を急激に上げるという事実は、全ての糖尿病患者に例外なく当てはまります。
従来、糖尿病患者の食事療法は総カロリーの制限だけが言われて来ました。しかし、同じ600kcalの食事でも、ステーキとサラダだけなら食後の血糖値はほとんど上がりませんが、ラーメンとライスだったりしたら、血糖値は急激に上昇します。
ですから、アメリカやヨーロッパなどでは、糖尿病患者の食事を総カロリーで管理するのではなく、炭水化物の量で管理しようという方向に変わりつつあります。そのほうが理にかなっていますし、何よりも炭水化物(カーボ)の量だけを考えればいいので、計算(カウント)も楽です。
では、具体的にどうすればいいのでしょう。
まず、どんな食物に炭水化物含まれているかを知る必要があります。最も炭水化物の多い食物といえば、ご飯、パン、麺類などの主食類です。たとえば、コンビニのおにぎり1個には炭水化物量が約40g含まれています。食パン1枚は約30g、ざるそば1枚は約60gです。
もちろん、ケーキやスナック類にも大量の炭水化物が含まれていますし、イモや豆類もけっこう炭水化物が豊富です。意外なのが牛乳やヨーグルトなどの乳製品。これには乳糖という炭水化物が含まれています。
野菜類にも炭水化物は含まれていますが、2型糖尿病患者のカーボ・カウンティングでは無視してもかまわないと思います。また、肉や魚にはほとんど炭水化物は含まれません。
食品に含まれる炭水化物の量を調べるには、女子栄養大学から出ている『カロリーガイドブック』が便利です。具体的な食べ物の写真に対しての炭水化物量が一目でわかるので、カーボカウンター必携の一冊だと思います。
さて、食事と炭水化物量の関係がわかったら、次はどのくらいの炭水化物を摂るかですが、この目安を知るためにも、簡易血糖値測定器は絶対に必要です。
まず最初の1週間は、摂った炭水化物の量と食後2時間の血糖値を控えておきます。そうすれば、どのくらいの炭水化物が、どのくらい血糖値を上げるのかがだいたい把握できるはずです。目標は食後2時間値が絶対に200mg/dlを超えないこと。 できれば160以下に抑えたいところです。
ただし、200mg/dlを超えそうな時でも、食後にウォーキングなどの軽い運動をすると血糖値はだいぶ下がります。運動による筋肉のブドウ糖の取り込みにはインスリンを必要としないのです。
ちなみに私の場合、一回の食事の炭水化物量が40g以内なら、食後の血糖値が200mg/dlを超えることはまずありません。外食などで50g以上になってしまうこともありますが、そんなときは極力運動をするようにしています。
このように、炭水化物の制限と適度な運動を組み合わせることで、食後2時間の血糖値の8割を200mg/dl以下に抑えれば、ヘモグロビンA1cの値も5%台がキープできるそうです。(糖尿病専門医である私の主治医談)
適度なローカーボとは
例によってアメリカ糖尿病協会のサイトにあった記事です。ニュースソースはアメリカ栄養士協会の機関誌らしいので、栄養士的立場からの研究なのかもしれません。
実は私、病院で栄養士からの食事指導を受けたことがありません。糖尿病と診断されたとき、医師から「1日のカロリーを1520kcalにしてください」と言われたのが、唯一の食事指導といえば食事指導です。
なまじ指導など受けなかったから、カーボカウントなどという食事療法も簡単に受け入れられたのでしょう。もし、美人栄養士かなんかにしっかり栄養指導をされていたら、今頃バリバリの食品交換表派だったかもしれません。
ローカーボ食は2型糖尿病患者に有益
炭水化物制限食は2型糖尿病患者の血糖値を改善し、有害な中性脂肪を減らすと考えられるが、減量に役立つかどうかは不明であるとする、最新の研究結果が発表された。
「多くの糖尿病患者は血糖値を下げる方法を模索しているものの、どんな食事がベストなのかについては混乱している」と、ウェーク・フォレスト医科大学のカーク博士は言う。
「炭水化物が血糖値に最も大きなインパクトを与えることを知っている医療従事者でさえ、患者にどんな食事を指示したらいいのか確信を持てないでいる」と彼女は言う。
カーク博士の研究グループは、2型糖尿病患者の炭水化物制限食に関する13の研究結果を集めた。アメリカ栄養士協会の機関誌の記事によると、「私たちはカロリー比5%~45%までの幅広いカーボ含有量についての研究を分析し、どの程度の炭水化物制限が糖尿病に最もいい結果をもたらすかを探った」とある。
その結果、ある程度炭水化物を減らすだけでも、血糖値や血中脂質の改善に効果があることがわかった。
たとえば、炭水化物の比率を65%から35%に減らすだけで、中性脂肪は約23%下がる。
しかしながら、炭水化物を制限することで体重が減るかどうかについては、はっきりしなかった。
カーク博士によると、1日130g以下の超低炭水化物食は、長期にわたる影響が十分調査されていないため、現時点で推奨するにはエビデンスが不十分だと言う。
ちなみに、130gの炭水化物量というのは、1200kcal食の43%、1700kcal食の30%、2200kcal食の24%にあたる。
「ほとんどの食事療法において炭水化物の制限は必須といえるが、必要な栄養素を犠牲にしてまで行うべきではない」とカーク博士は言う。「食事面でも健康面でも、大切なのは程々ということだ」。
Low-carb Diet May be Beneficial in Type 2 Diabetes
この研究によると、炭水化物は最低でも1日130gは摂りましょう、ということのようです。1700kcalの食事をとる人なら約30%です。
以前の記事にも書きましたが、日本の糖尿病学会が推奨するカーボ比は約60%です。1700kcalなら255g。アメリカのジョスリン糖尿病センターでは約40%が推奨されていますから、1700kcalなら170gです。
日本で糖質制限を提唱する江部医師は、ご自身のブログで1日約60gとおっしゃっていました。アメリカのバーンスタイン医師は1日約30gの生活をずっと続けています。
ちなみに、最近の私は1日150g~180gほどのカーボを摂っています。以前よりだいぶ増えましたね。この記事のいうところの、「適度なローカーボ」ってとこでしょうか?
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体重とヘモグロビンA1c
前回の記事で私自身の血糖値とヘモグロビンA1cの関係をグラフにしてみて、ふと思いました。体重とヘモグロビンA1cの関係はどうだろうと。
うーん、2つの曲線は気持ち悪いくらいにぴったり重なり合っています。
ある研究調査によると、体重を5%減らすとヘモグロビンA1cは0.6%下がるそうです。私の場合、約10%減量しましたから単純に2倍とすれば、A1cは1.2%下がることになります。実際には4%以上下がったので、差額の分はローカーボ効果ということになるのでしょうか。
さらに5%ぐらい減量したらA1cはどうなるのか、探ってみたい衝動に駆られないわけでもないですが、これ以上痩せるのはもう御免です。
NHKのためしてガッテンから出ている『脱・糖尿病の裏ワザ』という本があるのですが、そこに面白いデータがありました。
それによると、日本人の糖尿病患者の平均BMIは23.1であり、日本人全体の平均である22.7とほとんど変わりないそうです。つまり、日本人の糖尿病患者は決して太ってはいないのです。
また、糖尿病患者を「改善組」と「悪化組」に分けたとき、その両者の間に摂取カロリーの差はまったくといっていいほどなかったそうです。つまりカロリー減だけでは、糖尿病は改善しないのです。
これまで、糖尿病治療といえば摂取カロリーを減らし、有酸素運動を取り入れてひらすら減量に励むというのが常識でしたが、それは肥満の多い欧米での研究をもとにした治療法で、日本人の糖尿病患者には元々あまり意味はないようなのです。
しかも、皮肉なことに、欧米ではもはや理想体重を基にしたカロリー制限という食事療法はほとんど行われていません。カーボカウントによって、直接、血糖値をコントロールしようという方法に変わってしまいました。実は、このカーボカウントこそ、肥満のない日本人向け食事療法なんですけどね。
カーボカウントと糖質制限の違い
去年の2月に糖尿病を宣告された時、片っぱしから糖尿病関連の本を読みました。その中の一冊が『主食を抜けば糖尿病はよくなる』でした。
糖尿病食はカロリー制限食だと思っていた私は、この本で目から鱗が落ちました。血糖値を上げているのはカロリーではなく炭水化物(糖質)だということを知って、すべての謎が解けた気がしました。
その後『糖尿病専門医にまかせない』という本で、カーボカウントという食事療法があることを知り、興味は海外の糖尿病療法へと向かいます。
非常に勉強になったのはアメリカ糖尿病協会(ADA)のサイトでした。ここで、血糖値をコントロールするための、最先端の方法論を学びました。
残念ながら、日本で出されている糖尿病関連の書籍の多くは、屁の突っ張りにもなりませんでした。血糖値と炭水化物の関係に触れず、カロリー制限を食事療法の基本に据えている時点で、理論的な説得力をなくしてしまうのです。
ここで、私がアメリカ糖尿病協会から学んだ「カーボカウント」についての考え方を復習しておきます。
まず、炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質の三大栄養素のうち、血糖値の上昇に最も影響を及ぼすのは炭水化物だということです。ですから、糖尿病患者は食事の炭水化物量に最も注意を払わなければいけません。
一方、血糖値は運動によってリアルタイムに下がります。ですから、炭水化物を食べすぎたと思ったら運動をする。運動ができない場合は炭水化物を控える。そうすることによって、食後の血糖値は自分の意志でコントロールできるのです。
大切なのは食事の炭水化物量を把握すること。そして、どのくらいの炭水化物が血糖値をどのくらい上げ、どんな運動が血糖値をどのくらい下げるのかを、血糖測定でしっかり確認することです。
つまり、「炭水化物量の把握」と「血糖測定」、それに「運動」を加えた三本柱で血糖値をコントロールしようというのがカーボカウントなのです。
世の中には江部先生の提唱する糖質制限とカーボカウントを同じものだと思っている人もいるようですが、実はかなりかなり違いがあります。江部先生自身も「糖質制限は糖質管理(カーボカウント)をさらに徹底したもの」として、両者が別物であることは認めています。
では具体的に、糖質制限とカーボカウントは何がどう違うのでしょう。
まず、江部先生の糖質制限食では、すべての食品を「食べて良い食品」と「要注意食品」に分けていますが、カーボカウントに食べてはいけないものはありません。何を食べてもいいけど、炭水化物の総量に注意しましょうということです。
また、江部先生は血糖自己測定については特に必要性を説いてはいませんが、カーボカウントに血糖測定は必須です。何をどのくらい食べたら血糖は上がるのか、どういう運動をどのくらいしたら血糖は下がるのか、個人個人のデータベースを作るためです。
さらに、具体的なカーボ量で比較すると、アメリカ糖尿病協会ではカロリーに占める炭水化物の割合は40%~60%の間で自由に決めていいことになっています。ただし、ジョスリン糖尿病センターなどの実例を見ると、実際には40%程度で行われる場合が多いようです。
一方、江部先生の提唱する糖質制限食は、一日一食は主食を摂るスタンダード糖質制限で炭水化物の割合は約30%、主食を全く摂らないスーパー糖質制限食で約12%です。アメリカ糖尿病協会では、1日130g(約30%)以下の低炭水化物食は長期的な安全性が確認されていないとしていますが、江部先生はまったく問題ないといいます。
私はカーボ比率12%の糖質制限食を否定するつもりはありません。それが直ちに危険だと言うことはないでしょうし、血糖値を改善する効果は高いのだろうと思います。糖尿病が発覚した当初、合併症がないことを前提に数か月続ける分にはいいでしょう。しかし、素人が主治医に隠れて一生続ける食事療法としてはどうかなと思うのです。
カーボ・ゼロを理想として、炭水化物はできる限り排除することがカーボカウントだと思っている人も多いようですが、私はむしろ逆で、体を騙し騙し、あの手この手を使って、いかに多くの炭水化物を摂り込むかがカーボカウントだと思っています。
だって、このさき一生、カレーライスも、ラーメンも、寿司も食べられない人生なんてつまんないじゃないですか。私の先輩であるYCATさんが、いつかこんなことを言ってました。「炭水化物は必要悪だ」と。この言葉が、カーボカウントの原点であるような気がしてなりません。
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